しあわせな経営をめざす先生のための集客・売上アップはじめの一歩インターネットを利用した集客は、これから本当に必要なのか -1

2013.04.10

コラム

admin

そもそも、なぜ「集客」は必要?

えつらくそもそも、なぜ「集客」しなければならないのでしょう。
その理由を、まずいくつか挙げてみたいと思います。

1.サロン開業前後
2.新しく店舗を増やすから(顧客開拓をしたい)
3.リピーターが少ない
4.稼働率を上げたい(空いている時間を埋めたい)
5.自然減(20%程度ともいわれます)する顧客数を補填したい など。

たとえば開業後1年以上であれば既存顧客が増えているはずですね。もしリピーター化(固定客化)が低いようであれば、「集客」だけではなくサロン運営において何かしらの見直しがまずは必要かもしれません。

また、5の「自然減」は、お客様のお仕事の都合、引っ越し、結婚、出産などライフサイクルの変化などのやむを得ない理由により、サロンに来店されなくなるお客様がある一定の比率で発生することをいいますが、この比率はサロンでは避けようがありません。

お客様のご満足度にかかわらず、自然減は、ある程度一定の比率で常に発生していくために、継続して新規のお客様を増やしていきましょう(集客しましょう)、という考え方です。

すでに既存のお客様の予約だけで十分に運営できている、という場合もあるでしょう。ですが、5以外の1~4については特にサロンの集客は必要というケースが多いと思います。

当コラムでは、主に「インターネットを使った集客」そして来月以降では「集客とサロンでの売上アップ」というテーマにも焦点を当てて、どちらかといえばインターネットに苦手意識をお持ちの先生にお話しさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

ビジネスの成長を加速させるツール、それが、今の時代のインターネット。

結論から先にいえば、「インターネット」はサロンの集客の強い味方となりえるツールです。
「サロン」という存在を人間にたとえるなら、ホームページやWEB上の情報は、サロンにとって「顔」といえるくらい重要な意味があります。

ホームページなどの情報がWEB上になければ、その存在自体がないとみなされても同じくらい、ビジネスの可能性を狭めてしまっていると考えても大げさではない現在。
「インターネットはほとんど見ないからよくわからないわ」、という先生でも、そう言っていられないのです、という理由があります。

インターネットは、昔でいうなら、「読み書きそろばん」のそろばんにも匹敵するツール。

サロン経営におけるインターネットの存在は、これからの時代にサロンの成長の可能性を伸ばし、経営の自由度をも上げて、成長を加速させる可能性があります。はじめの一歩というより、一歩を踏み出すための準備、と言っても過言ではないくらい必要なツールだと思います。

でも、そこまで言える根拠があるのか?という疑問のある方へのヒントを、今月はいくつかご紹介します。本文が長くなりますので、2回に分けてお届けしますね。

インターネットで、スタートアップを成功させている新しいサロン経営者たち

ここで面白いといいますか、わかりやすいデータを「お話しできる範囲で」ひとつ。
弊社のクライアント様の中で、インターネット(のみ)を経由して集客できている件数(※件数ベース)が、最大でその差に2桁の違いがあること。(1ケタでないところにご注目を。)

インターネットを経営に取り入れ、うまくいっているサロンの成長の速度は、スピード感があるのも特徴で、開業1店舗からスタートして、数年で数店舗のペースで店舗を増やしていくケースなども目にします。

もうひとつヒントとして、ここ数年でご開業されたサロン経営者の方には、新規の集客はインターネットだけで、経営を軌道に乗せているケース。こういった例をお聞きすることは珍しくなくなってきています。ですが、もしかしますと少数派かもしれませんし、たまたま、わたくしがご縁ある先生が、特別なのかもしれません。

また、インターネットでの集客といっても、それぞれのサロンの状況や条件、利用しているWEB媒体や広告媒体も違い、戦略もそれぞれに違います。もちろん、それぞれの結果も違います。ですが、わたくしどものクライアントの中堅、小規模なサロン様の中でも、このような数字の開きがあることは事実です。

繁盛させたいなら、見込みあるお客様が集まる場所(インターネット)で。

次に、サロンを知るきっかけになる広告媒体、という項目をいくつか見てみましょう。

「テレビ離れ」という言葉は、みなさまもご存じかと思います。特に2000年頃から顕著になっているといわれ、インターネットがその要因のひとつとも言われます。ただしTVCMは言うまでもなく、だれでも気軽に出稿できるという金額ではありませんね。

他に、女性向けのビューティ・コスメ雑誌(月刊)の発行部数(印刷証明付きの発行部数)を見てみますと、年々減少傾向にあります。1年での比較ではわかりにくいものの、3年前の2009年と比較し下記2誌で10万部も発行数が減少しています。

2012年の発行部数100%として、各年との発行部数の比較比率
雑誌名 2011年 2010年 2009年
VOCE(講談社) 86.3%(↓) 83.8%(↓) 75.8%(↓)
MAQUIA(集英社) 98.9%(↓) 89.8%(↓) 80.1%(↓)
美的(小学館) 102%(↑) 100.3%(↑) 93.2%(↓)

(データ参照:社団法人日本雑誌協会)

紙媒体、といえば、多くのサロンで活用されていると思われるフリーペーパー、折込チラシがあります。スペースの大きさや発行部数(紙を刷った枚数)によって金額が変動し、月額の固定費がかかるために、開業したばかりの先生などから毎月かかる固定コストが利益を圧迫すると感じるというお声も時々耳にします。

一方で、インターネットはいかがでしょう。まずは利用者数から。

総務省によれば、インターネットを利用している人は、世界で22億7000万人(2011年末。世界人口の1/3ほどにも)。日本では、最新のデータによれば、9610万人(総人口の79.1%)。国民の10人に約8人は、インターネットを利用していることになります。企業においては、87.2%で約9割にものぼります。(従業員数100名以上)この数字は、年々右肩上がりです。

下記の表は、エステティックや美容、リラクゼーションサロンやネイルサロンを利用されると思われる年代の、インターネットの利用率をピックアップしてみたもの。
10代後半 96.4%、20代 97.7%、30代 95.8%、40代 94.9%、50代 86.1%、60~64歳 73.9%、65~70歳 60.9% と続きます。乳幼児やご高齢の方以外では、何らかの形で多くの方がインターネットを利用していることがわかってきますね。

平成23年度(2012年)末時点の年齢層別・インターネット利用率(日本)
年齢別 利用率
10代後半(13歳~19歳) 96.4%
20代 97.7%
30代 95.8%
40代 94.9%
50代 86.1%
60代前半(60~64歳) 73.9%
60代後半(65~70歳) 60.9%

(出典:平成23年度末 総務省)

ちなみに、今よく耳にするTwitterやFACEBOOK、mixiなど日本のSNS(ソーシャルメディア)の利用者数は、最新のデータによれば5060万人(前年比143%)。国民の42.1%もの人が、何らかのSNSを利用しています。こんなにいるとはちょっとビックリしますね。(出典:財団法人インターネット協会/2012年末)。

そして、インターネットを使った集客目的の広告媒体としては、エステティックや美容を目的としたユーザー向けの専業ポータルサイトや予約サイト、紙媒体と連動したWEBサイト、フラッシュマーケティング(クーポン共同購入サイト)、またキーワードで入札するYahooやGoogleなどのキーワード広告、リスティング広告、そしてSEO,SEMなど多岐にわたります。

ざっくりとご紹介しましたが、さまざまにある媒体の中で、インターネットは、利用の仕方によって集客においても、まだまだ可能性があると思えてきませんか。

「地の利」が変わってきている?

ときどき、経営を成功させているサロンを見て、「地の利」という言葉を思い浮かべることがあります。ひと昔前、インターネットが集客に利用されていなかった時代は、立地条件がお店の繁盛する条件を大きく左右するといわれていました。レストラン・飲食店の検索サイト「ぐるなび」の創業者の方も、飲食店の立地条件の悩みがインターネットで解消されていく成功事例を目の当たりにした様子を、著作で書かれてもいました。エステティックや美容のサロン業界も、同じことがすでに現実に起こっています。

もちろん立地条件は繁盛する条件として今でも確かに左右するかもしれません。ですが世界一の人口密度の高い、東京都心の有名なエリアは地代が(世界でもTOPクラス)高く、またサロン数も日本一。都心のサロンなら成功するのか?といえば答えは否で、競争も熾烈を極め、毎年、新しいサロンが誕生し、美容に関連するサービスは多様化しており、入れ替わりも激しい。

その一方で、ちょっと駅からは歩く距離であったり、隠れ家的な場所にあるサロンでも、お客様の人気を集めているケースがあります。そのサロンの魅力によるところはもちろんありますが、地方のエリアにあるサロンでも、予約がなかなか入らないほど繁盛しているサロンがあったりします。

「地の利」という言葉の意味は、インターネットの登場で、少し変わってきているように思うのですが、いかがでしょうか。

さきほどご紹介しましたように、インターネットは、世界で22億人、日本で1億人弱(8割)が利用する大きなプラットホーム。発行部数やエリアが限定される従来のチラシや紙媒体と大きく異なる点として、まずアクセスされる可能性のある人にエリアを限定しないことが挙げられると思います。

また、紙媒体を手にしない方が、インターネットからアクセスしてくる場合もあるかと思います。アクセスしたいと思えば、エリアどころか国や時間をも超えて、先生のサロンの掲載されているWEBページに、どこからでもアクセスすることができるのです。

さらにTVやラジオなどの媒体と違う点として、見たいと思うならユーザーが夜中でも朝でも日中でもいつでも、時間帯に関係なくアクセスできることも大きい。

インターネット上の「どこ」に先生のサロンが存在しているかによって、昔でいう「地の利」の意味が変わっているかもしれない。その方法を知っておくべきではと思います。

そのためには、「それぞれのサロンの課題、時代の状況に合わせて柔軟な戦略を持って利用」することが大切です。まだインターネットの集客に実感を持てたことのない方、インターネットでの集客に力を入れてこなかった方ほど、その戦略を見直してみることで、サロン集客の伸びしろを伸ばす余地はあるとわたくしどもでは考えます。

ここで課題としては、サロンのご経営者の方にはインターネットに対してまだ苦手意識のある方、パソコンが苦手、メールができない、メールを何日もご覧にならない方などもまだまだいらっしゃること。
はじめは苦手意識のあった先生でも、ご経営にインターネットを上手くご活用いただけるようになることで、売上アップ、広告宣伝費に対する費用対効果のアップ、業務の効率化につながっているケースなどを、わたくしどもはこれまで多く見てきました。

ですので、ぜひ苦手意識を克服して、さらに、サロンの経営を楽しんでいただきたいと思っています。

しあわせな経営のために、大切なこと。

今回の最後に、とても大事にしなければならない考え方について。

経営に限らずですが、人間の社会は、ひとりでは成り立たないもの。
ときどき、わたくしどもが接する経営者の方の中には、個人で事業を営んでいることから「すべてを一人でやっている」という言葉をお聞きすることがあります。
でも、本当にそうでしょうか。

ご家族やご友人、商材や何かしらのお取引で、先生とのつながりのある方がいるはず。先生のサロンの存在を支えるために存在している大切な人たちへの感謝を、忘れてはいけないのでは、とわたくしは思います。

誰でも、得意不得意があります。ご自身が不得意な部分は、プロとして仕事ができる人(業者)に任せ、周りの方々と一緒にサロンを運営していく、コラボ(協働)や、協業(アライアンス)を組んで、ひとりでの力では成し得ない成長を加速させていくことも、これからの時代のしあわせな経営の姿ではないか、とわたくしは考えます。

インターネットが苦手な方のはじめの一歩には、「戦略」を持って利用することが大切。そうした視点を持ったときに見えてくる風景が違ってくる場合もあることを、当コラムで少しでもお伝えできればと思っています。見えてくる風景が変わってくると、勝つために取る戦略も変わってくるはず。そういった戦略を含めて、苦手だからサポートが欲しい、という方には、先生の不得意な分野を補ってくれる、媒体、広告代理店やコンサルタントなどの活用が必要になってくるでしょう。

次回は最新のデータも含めてわたくし自身が驚いたお話などご紹介したいと思います。

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