エレバンスとウィルマー、インドネシア工場から出荷開始

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2013.07.22

編集部

アジア有数のアグリビジネス・グループのウィルマー·インターナショナル社と化学品製造会社のエレバンス・リニューアブル・サイエンシズ社は19日、合弁事業として2011年に運転を開始していた、インドネシアのバイオファイナリーから商品の出荷を開始したと発表した。

この製造工場では、9-デセン酸メチルなどの多機能エステルや、バイオベースのアルファまたは内部オレフィンなどの斬新な特殊化学製品を生産している。生産高は約18万トンで、倍の36万トンまで拡大が可能という。

近年高まる化学製品の原材料としてのパーム油の需要は、同時にパーム油生産農場による森林破壊などの問題を引き起こしており、再生可能・持続可能な製品への移行は急務だ。今年3月にはインドネシアの新聞に、ノルウェー政府系ファンド(運用資産額7100億ドル)が、インドネシアなど数カ国のパーム油関連各社から、環境破壊を原因として出資を引き揚げたという記事が掲載された。その時に売却したとされたウィルマー·インターナショナル社の株は約6730万ドル相当と言われている。

エレバンス・リニューアブル・サイエンシズ社のバイオリファイナリー技術は、パーム油、マスタード、大豆、ジャトロファ、廃油など多くの再生可能な油性原材料を使った処理能力を持っている。同社のCEO、K’Lynne Johnson氏は、製造工場が安全にスタートアップできたことと「複数業種の石油化学製品に、コスト競争力のある再生可能な代替案を供給できる」ことについて喜びのコメントを発表している。本社を米国イリノイ州ボーリングブルックにもつ同社は、オレフィン・メタセシス(olefin metathesis)というノーベル賞を受賞した独自の技術で、高性能ワックス、機能油、抗菌剤、潤滑油、添加物などの化学製品を製造している。米国ビジネス・ウィーク誌の「2008年最も成功した新規企業トップ10」にもランクされた。

ウィルマー・インターナショナル社は1991年創業で、シンガポール証券取引所の時価総額最大を示す上場企業にランクされているアグリビジネス·グループ。同社の統合アグリビジネスモデルは、農業生産から、製品加工、商品化、ブランド化、流通までの全工程を掌握したもので、事業は食用油精製、砂糖製粉·精製、特殊油脂、油脂化学、バイオディーゼル燃料や肥料の製造と穀物加工と多岐にわたっている。

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