資生堂、年内にUAE・ドバイに合弁子会社設立、直接投資を開始

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2013.10.29

編集部

資生堂は、グローバルブランド「SHISEIDO」の中東地域への輸入販売を行う「Shiseido Middle East FZCO(資生堂ミドルイースト)」を現地企業と合弁でアラブ首長国連邦(UAE)・ドバイに年内に設立し、UAEを含む中東7カ国を対象に、2014年1月から販売を開始する。出資比率は資生堂側(在仏の同社100%子会社Shiseido International Europe S.A.)が51%、現地企業が49%。

資生堂によると、中東の当該7カ国(バーレーン、ヨルダン、クウェート、オマーン、サウジアラビア、カタール・以上アルファベット順)においては、1997年以来、現地代理店であるCreation Alexandre Miya Paris Limited(クリエーション アレクサンドル ミヤ パリ リミテッド社・以下「クリエーション社」/コトフスキー社長)が欧米と同様のプレステージマーケティングのもと、グローバルブランド「SHISEIDO」を販売してきた。フレグランス(香水)中心の中東の高級化粧品市場においても同社が得意とするスキンケアを中心に存在感を確立し、今日では約140店の店舗で販売している。

「資生堂ミドルイースト」が管轄する中東7カ国は、約5,000万人の人口を有し、平均年齢は30歳前後と非常に若い。一人あたりのGDPも高く、世界有数の富裕層を擁する地域として知られている。リーマン・ショック(2008年9月)の影響も、2010年にはほぼ危機前の水準に回復。2011年以降は成長トレンドを取り戻し、今後も安定した成長が見込まれている。クリエーション社は、スキンケアを中心とした高級化粧品販売のノウハウや、小売業との良好な関係を持つ上、アラブ社会の商習慣にも明るく、今後ともパートナーとして合弁会社を設立することで合意した。

当該7カ国の「高級化粧品市場」は、小売ベースで1500億円(2012年)と、ロシアを凌ぐ規模と見られる。従来からの富裕層に加え、今後とも増加が予想される外国資本の駐在員にも支えられ、引き続き2桁成長が見込まれている。市場特性としては、欧州系などのフレグランス(香水)ブランドが強い傾向にはあるが、「SHISEIDO」はスキンケアを中心に着実に現地に浸透している。

資生堂は、1970年代に中東市場への取り組みを開始した。政情不安などで一時撤退や規模縮小を余儀なくされたが、1990年代に入ってからは、レバノン(1993年)、イスラエル(1996年)などで代理店を通じた販売を開始するなど、同地区への注力を再開。1997年にはドバイに本拠を置くクリエーション社と、中東地域におけるグローバルブランド「SHISEIDO」の販売を包括的に委託する契約を締結。同社を通じて、UAE、クウェート、バーレーン、サウジアラビア(以上1997年)、カタール(2000年)、オマーン(2001年)、ヨルダン(2004年)で販売を開始するなど、徐々に販売国数を拡大してきた。

当該7カ国での販売は、2013年12月末日までは現在の代理店であるクリエーション社が継続して行い、2014年1月1日以降は、新会社「資生堂ミドルイースト」が担う。当初はグローバルブランド「SHISEIDO」の一層の浸透に努めビジネス基盤を強化、将来的には「SHISEIDO」以外のブランドの取り扱いも検討していく。

【新会社の概要】
名称:  (英文) Shiseido Middle East FZCO / (和文) 資生堂ミドルイースト
代表者:  佐藤 敦(さとう あつし) <President, Shiseido International Europe S.A. 資生堂インターナショナルヨーロッパ 代表取締役社長 兼務>
出資者:  Shiseido International Europe S.A.: 51%
Creation Alexandre Miya Paris Limited: 49%
設立:  2013年中に設立予定
所在地: アラブ首長国連邦・ドバイ
資本金:  350万 USドル(概算で3.5億円)

 

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