タニタが「健康総合企業」目指す

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2013.12.25

編集部

株式会社タニタ(東京都板橋区前野町、谷田千里社長)は健康管理にかかわるノウハウを基に、全国に1万店の店舗ネットワークを持つローソングループと連携、タニタ食堂のレシピコンセプトを参考にしたヘルシー弁当や家庭でタニタ食堂のメニューが簡単に調理できる宅配食材キットの開発、会員制の「タニタ健康くらぶ」も順調だ。同社のプランティング推進室長・猪野正浩氏は「タニタは健康総合企業を目指している。健康はタニタで十分と言われるように自治体、企業から消費者まで健康関連事業の裾野を拡大していきたい」と語る。

ヘルシー弁当の開発では、栄養バランを考慮し、1色当たり500kcal前後、塩分3g前後で満腹感が得られるという社員食堂のレシピコンセプトを基本にした。まず、コンビニで販売される常温弁当「バーベキューチキンと七穀ご飯」に半年かかって挑戦したが、添加物を含めコンセプトを100%再現することができなかった。

抽出された課題をできるだけ潰していくために、チルド弁当に挑戦し、「鶏肉と大豆のまろやかキーマカレー」を開発。ローソンの商品設計者、工場の製造担当者にタニタ本社の社員食堂で試食、咀嚼回数を増やして満腹感を得るために野菜の噛み応えを出すなど調理ポイントを体感してもらい再現性を高めた。

このほか、ローソンの関連会社「スマートキッチン」を通じてタニタ食堂メニューの食材キットを全国に宅配している。メニューは「イカの味噌だれ炒め定食」で、必要な食材をあらかじめ計量・カットして過程で調味料を入れれば出来上がる1汁3菜である。1人前、2人前を取りそろえ、家族構成で使い分けられるようにしている。

「タニタ健康くらぶ」は、会員同士が交流できるヘルスケアエンタテインメントで、日本初の試みである。タニタが持つ健康管理ノウハウと、ローソンがもつ会員募集ノウハウを組み合わせて立ち上げた。ヘルシーレシピ、簡単フィットネス、健康管理など「食べる、動く、集まる」にカテゴライズして発信。このほかのコンテンツを全国展開するのが目標だ。WEBを通じてサービスが受けられない高齢者などには、コンテンツをDVDに落として宅配もしている。

タニタの体組成計(左)このほか、タニタ社員250人に歩数計を配布し、体組成計や血圧計で計測するだけで計測データをパソコンやスマートフォンで確認できる仕組みの「タニタ健康プログラム」を開発した。専門スタッフから適切なアドバイスを受けられるなど「からだの見える化」による健康づくりにより、3年間計測したデータを保有、個人認証もできる歩数計の開発とともに、導入前と比べ医療費を10%削減したことで厚生労働省のスマートライフプロジェクトから厚生労働大臣最優秀賞を受賞した。現在では、ローソンをはじめ、多くの企業や自治体で同プログラムの導入が進んでいる。

参考リンク
株式会社タニタ

 

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