アステラス製薬、醗酵創薬研究から撤退、大鵬薬品に資産譲渡

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2014.01.16

編集部

アステラス製薬と大鵬薬品工業は、アステラス製薬が保有する醗酵創薬研究に関する資産を大鵬薬品に譲渡することで合意(譲渡契約2013年12月27日付)し、今年3月末に資産譲渡を正式に行なう。

アステラス製薬は、新薬創出力の強化を目的とした研究体制再編の一環として、自社による醗酵創薬研究(天然物からの医薬探索)からの撤退を決定(2013年5月)し、関連資産の他企業への譲渡(醗酵ライブラリー、設備・機器、ITシステムなど)を検討してきた。この結果、がん領域を中心に有効な治療法がない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)領域で、革新的な医薬品の創出を目指している大鵬薬品との間で醗酵創薬研究に関する資産を譲渡することで合意し、昨年12月に譲渡契約を締結して今年3月末に資産譲渡を正式に行なうことにした。

山之内製薬と藤沢薬品工業が合併(2005年)して誕生したアステラス製薬が今度、醗酵創薬研究から撤退し、醗酵創薬研究に関する資産を大鵬薬品に譲渡した背景には、研究開発投資の選択と集中を行い、これまで醗酵創薬研究に振り向けていた経営資源の戦略的な再配分を進めることで、研究開発の効率化を図るのが狙い。

すでに同社は、研究開発の再編として米国子会社2社の研究所閉鎖と米国子会社の研究機能を大幅に縮小した。さらに、2015年度には、関西の研究拠点加島事業所を閉鎖する計画で、研究体制を全て創薬研究の中核拠点つくば研究センターに集約する。

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