消費者庁が食品の栄養表示でガイドライン作成へ

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2014.01.23

編集部

内閣府消費者委員会の食品表示部会は1月22日、消費者庁で健康に密接する食品の栄養表示に関する調査会(第2回)を開いた。栄養表示は、消費者が適切な食生活をするために商品選択する際に必要な情報であることから、原則として予め包装されたすべての加工食品(生鮮食品は除外)と添加物について、栄養成分の量および熱量(カロリー)の表示を義務付けることを消費者庁は原則と考えている。

食品表示部会消費者庁は、(1)消費者における表示の必要性(2)事業者における表示の実行可能性(3)国際整合性の3点を勘案し、予め包装された食品のうち表示義務を免除する食品(案)を規定した。

免除される食品は5つのカテゴリーに分類される。「栄養上、意味のない食品」として、水、コーヒー豆、ハーブや茶葉、スパイス、練りわさび・からし、着色料や香料などは、消費者サイドから見れば栄養成分が少なく、栄養上の影響も少ないことから栄養表示されても活用されにくい。「加工食品の原材料として使用される食品」も、消費者に直接使用されることがないから表示義務はない。「酒類」は、致酔性を有する特殊な嗜好品で、消費者の商品選択のために栄養表示を義務とする必要性は低い。

以上3カテゴリーは消費者サイドからは「表示義務を免除できる」考えだが、事業者サイドから見れば、いずれも「表示値の設定は可能と考えられる」とした。「小包装食品」と日替わり弁当など「極短期間レシピが変更された食品」の2カテゴリーについては、消費者側は「商品選択の際に表示の必要性は高い」、事業者側は「物理的に記載不可能、レシピなど変更の都度、表示値を設定するのは困難」としている。

この中で酒類については糖質やカロリー「○○%カット」などと表示している缶ビールなどもあり、ダイエットの観点から消費者に分かりやすいのでそれなりに表示があってもよいのではないか、と委員から指摘があった。(3)国際整合性については、欧米各国で共通する栄養表示について日本もこれに準じる方向で検討することになった。

この日の調査会で栄養表示の対象食品では、加工食品は従来の「任意表示」から「義務表示」へ、生鮮食品は「表示対象外」、添加物は従来対象外だったが、新たに「義務表示」する方向で意見がまとめられた。

輸入食品については、現行の栄養表示基準(任意)では日本語で表示されているもの以外は適用外とされている。しかし、食品衛生法および「JAS法」に基づく表示については国内法に基づく表示が義務付けられている。この結果、輸入食品についても、商品選択のために栄養表示の必要性が高いと判断、新基準に基づく栄養成分の量と熱量の表示を義務化する方向を消費者庁は提案した。

栄養表示の対象事業者については、食品関連事業者は原則としてすべての業者に栄養成分の量および熱量の表示を義務付ける方針が示された。ただし従業員が5人以下の家族経営のような零細企業については「適用除外が妥当である」と判断した。

消費者庁はこれらの意見を踏まえ、栄養表示ガイドラインを作成する。

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