カネボウ、新安全基準を導入し化粧原料の安全徹底

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2014.06.6

編集部

花王の傘下で白斑問題に揺れるカネボウ化粧品は、細胞を用いた試験法「h-CLAT法」(human cell line activation testを応用するなどして化粧原料の安全性を徹底的に見極める新安全基準を導入した。

h-CLAT法は、培養細胞に感作性物質を添加するとアレルギーの指標となる細胞が多く発現することに着目し、皮膚感作性(皮膚アレルギー)を見極める試験の動物実験代替法として花王グループが他社と共同で開発した試験法。

同社は、検知力の高いh-CLAT法を応用して化粧原料の安全性向上を図る。同時に、化粧原料の安全性を確認するための安全性情報データベースの充実や試験可能な最大の濃度での評価試験を実施する。また、試験の規模(人数)と期間をこれまで以上に増やすほか複数アイテムを同時に使用する場合を考慮した使用試験の実施、化粧品販売後の安全性点検活動を強化するなど安全基準を体系化し、新安全基準として運用して行く。

カネボウ化粧品が自社開発の医薬部外品認定成分「ロドデノール」を配合した美白化粧品で肌がまだらに白くなるという症状や症状の不安を訴える該当者数は、今年4月末で約1万4,600人に達し、この内、医師の診断に基づいて症状が回復した患者数は、約4,700名にのぼる。

今度の白斑問題に伴って同社が打ち出した原料の安全性強化策は、忘れられた安全性の重要性を再認識する契機になる。また、多くの化粧品メーカーや化粧原料メーカー、商社などにとっても他人行儀として無視できない問題である。これまで以上に化粧原料の安全性、重要性に業界の枠を超えて取り組むことが求められる。

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