海外志向の化粧品企業に「ISO 22716理解促進セミナー」(上)

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2014.07.18

編集部

ペリージョンソン ホールディング 株式会社(東京都渋谷区)でビジネスコンサルティング事業を担うペリージョンソン コンサルティング(PJC)は、海外への販路拡大にあたり対応が必要な企業や化粧品業界への新規参入を検討している企業を対象に、「ISO 22716 化粧品GMPガイドライン理解促進セミナー」を7月3日に開催した。化粧品の製造販売企業にとって必須の国際規格や各国の化粧品規制について解説する内容で、グローバル市場での成功のポイントとして、ISO 22716と来年秋に向けて改訂作業が進んでいるISO 9001の統合、さらにはクレーム対応スキルがさらに重要になってくることなどが講師から語られた。

グローバル化が加速する化粧品業界

同社営業本部マーケティング&ブランディングマネージャー部門の桑山俊之氏が講師を務めた。

セミナーではまず、「グローバル化が加速する化粧品業界の最新動向」と題し、頭打ちの国内市場から海外に販路を見出す企業の例として、マンダム・インドネシアがインドネシアで2015年までに 生産能力を50%高める方向性や、コーセーが約135億円を投じて初の米企業買収にいたった事例が報告された。また、アジアの化粧品市場で韓国メーカーの存在感が高まっており、大手のLG生活健康が日本企業を次々と買収し、2017年には年10兆円を突破するとみられ(英ユーロモニター調べ)、アジア化粧品市場で”美の争奪戦”が熱を帯びていることなども報告された。

桑山講師は、化粧品だけでなく、日本最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション」が経済産業省の資金補助を得て、タイや台湾などアジアの国々や地域へ進出する例をとり、海外展開への足がかりとして「政府の戦略に乗ることも重要」と話した。

世界舞台で成功するポイント

海外展開だけでなく、世界共通ブランドとして、国内と海外で製造した化粧品を世界各国で販売するケースも近年増えている。国内は化粧品GMP自主基準を遵守して製造されているが、世界舞台で成功するポイントとして、桑山講師は3点を強調した。

1つは国際標準の導入。TPPにも触れ、「TPPの推進では、「国際標準」に準拠することが前提。日本を含め各国には分野ごとの個別基準は数百~数千におよぶ。TPP交渉で個別に規定を定めることは現実的でないことから、ISOを含めて国際標準の導入は、国際取引のパスポートとして必要不可欠なものへなってきている」と述べた。

2点目は、現在化粧品を製造販売する企業にとって必須の規格となっているISO 22716(化粧品GMPガイドライン)の適合性を第三者評価機関が審査し、ステークホルダーに証明する必要性が今後ますます増えてくる、という点。

3点目が、ISO 22716(化粧品GMPガイドライン)とISO 9001(品質マネジメントシステム)を統合して運用すること。ISO 22716は、化粧品の生産、管理、保管及び出荷についてのガイドライン(下記図中の紺色部分)。いわば「工場だけ」に関わるもので、その前の研究・開発行為や工場から出たあとの物流・販売・改善などには適用されない。そこで、すべての要素が含まれるISO 9001と、衛生管理を中心により具体的な要求事項が規定されているISO 22716を統合し運用することが今後の成功のポイントになる、と解説した。

ISO22716化粧品GMP理解促進セミナー

 

 

参考リンク
ペリージョンソン コンサルティング

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