2020年東京五輪に”シェア倍増”目標~「アラミス」50周年(下)

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2014.07.24

編集部

時代を先取りするコンセプトを示しながら次々と革新的な製品を市場に提供し続け、メンズコスメを牽引してきたアラミス。女性が主流の化粧品市場で、メンズコスメをどのように啓蒙していったのか。

SONY DSCブランド誕生の1964年「アラミス オーデ トワレ」のボトルデザインは、書斎の本棚の中に納める1冊の本のようなイメージでデザインされている。”主張 がありながらシンプルに”をテーマに、書斎に、バスルームの棚に、”彼のための(コスメ)スペース”を提案していった。

「ミセス・ローダーはマーケティング・センスにも長けていた」と片桐部長は語る。

アラミスの販売員はすべて女性で、”アラミス アドバイザー”と呼ばれ、一人一人のニーズ、悩みを把握した上で、男性の肌を診断し、ニーズに応えたカウンセリングや製品説明を行い、メンズコスメに対す る啓蒙活動する啓蒙活動を行った。

ブランド立上げ時は、ミセス・ローダー自身も店頭に立ってタッチ・アップを行っていたという。このマーケティング手法 は、日本でも採用され、三越日本橋に導入時からカウンターをかまえてカウンセリングを行ない、意識の高い名士たちを取り込んでいった。

「男性は正直で、裏切らない。サンプリングよりも実体験を好み、納得して、良いと思ったものはそれ一筋で使ってくれる」。「洗う」「潤す」「保つ」というシンプルな3ステップ提案もそうだが、男性への提案には男性心理や行動パターンに合致する”ロジック”が必要だと語る。

SONY DSC現在、メンズ化粧品は、化粧品市場の4%のシェアしかない。その中で、アラミスは百貨店で27%のシェアを誇り、メンズコスメ市場では売上No.1ブランド の座を維持している。「ある調査結果では、男性で年間5,000円以上をメンズコスメに使う消費者は7%しかいない。残り93%の消費者にアプローチする ためにも、男性が利用するチャネルの活用やマーケティングを含めて原点に立ち戻って展開戦略を考えていきたい」と片桐部長。

ア ラミスが牽引してきたメンズコスメの市場には、新規ブランドの登場も目立つ。20代~30代のネット世代を対象に通販やドラッグストアで展開するブランド もある。「オンライン販売にも着手しているが、その目的は新しい客層へのリーチと情報提供。今後も百貨店でのカウンセリング販売を軸に、他ブランドとは差 別化をはかりながら展開していく」(片桐部長)、とその軸はぶれない。

日本では1970年にアラミスのブランド販売が開始。ちょうど「大阪 万博」が開催された時代で、経済が活気づく時代。マクドナルドの日本上陸もあり、アメリカのライフスタイルが一般に浸透していく頃だった。「アラミスは時 代の節目に縁がある」と話す片桐部長は、「2020年東京オリンピックまでに倍増計画」を目標にあげた。

メンズコスメを牽引し続けてきたアラミス、新たな追い風を受けての今後の展開が一層注目される。

参考リンク
アラミス

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