加工食品には微量のトランス脂肪酸が含まれる

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2014.09.5

国際部

近年、健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされ、アメリカなどでは規制も行われているトランス脂肪酸。具体的には、血中のLDLコレステロール濃度が増加し、HDLコレステロール濃度が減少することが研究で示され、トランス脂肪酸を大量に長期間摂ることで冠動脈性心疾患のリスクを高めると言われている。

米疾病対策センター(CDC)のサイトに、2012年に行われた包装食品のトランス脂肪酸についての調査が報告された。アメリカでトップシェアを誇る包装食品4340製品を調査した結果、原材料に「部分水素添加油」を表示しているのは391製品(9%)だった。そのうち1回量でのトランス脂肪酸は「0g」と表示したものが84%あった。これは、1回量0.5グラム以下では「0g」と表示可能なためだが、トランス酸摂取量が少ないと消費者をミスリードする可能性が示唆された。

食品に含まれるトランス脂肪酸は、原料由来のものと油脂の加工由来のものの2つがある。原料由来とは、牛、羊、山羊などの反芻(はんすう)動物の胃の微生物が不飽和脂肪酸中のシス型二重結合の一部をトランス型二重結合に変化させることで食品に含まれるもの。牛、羊、山羊などから取れる油脂のほか、肉や乳、その加工品にもトランス脂肪酸として含まれる。
油脂加工由来とは、液体の油脂を半固体または固体にするための不純物除去の工程で、不飽和脂肪酸中のシス型炭素-炭素二重結合の一部がトランス型二重結合に変化するもの。「部分水素添加油」は、硬化処理と呼ばれるこの加工方法で製造された油脂を指す言葉である。食品加工・製造には扱いやすい固形・半固形の油脂(マーガリンやショートニングなど)は欠かせないため、現在の技術ではトランス脂肪酸の完全除去は難しいとも言われている。

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