センス&技あり!リュクスなサロンづくりを叶える3ステップ

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2010.08.10

編集部

日常生活の中で「くつろぎ」や「癒し」を取り入れることが一般的になった今、お客様が求めるのは、さらに上質を極めた“オンリーワンの贅沢”ではないだろうか。ここでは、「リュクス=自分にとっての贅沢、安らぎのある贅沢」と定義づけ、お客様が店に一歩入った瞬間から心の安らぎを感じる空間づくりを研究。癒しと健康のコンサルタント・吉田崇さんに登場していただき、リュクスなサロンづくりについて解きほぐしていく。ライフシーンでは味わえない特別な何かを提供できているか?サロンの空間づくりを見直す機会としてご活用いただきたい。
取材・文 石川名月

サロン空間に“リュクス”を表現するために
by 癒しと健康のコンサルタント 吉田企画代表取締役社長 吉田 崇

 お客様にとって、エステティックサロンが“特別な場所”であるために、「サービス」・「メニュー」と並んで「空間づくり」は大切なポイントとなってきます。お店のコンセプトやサロンの個性、求める客層、ビジョンなど、技術や広告などでは表現しきれない理想を、空間を通して描写することができるからです。「癒し」や「リラックス」がいたるところで得られるようになってきた今、お客様はより上質なサービスを求められます。店舗という箱に、プラスアルファの「贅沢感(=リュクス)」をどれだけ表現することができるか――。それが、サービスの見せ方のひとつのキーポイントとなってくるでしょう。
 それでは、空間に「リュクス」を表現するためには、どのようなプロセスが必要となってくるのでしょうか。3つのステップを掲げてご説明します。

step1.本物のリュクスを体験する

 日本中にたくさんのサロンがある中で、目の肥えたお客様がリュクスを感じ、足しげく通ってくれるお店にするためには、まず自分自身が「本物のリュクス」を体験し、自分にとっての「リュクス像」を創造してみることが大切です。私は、癒しを提供するお仕事に携わる中で、さまざまな場所へ行き、さまざまな方と会い、さまざまな経験をすることを大切にしています。たくさんの「いいもの」・「わるいもの」を目にすることで、人がどんなところで“癒し”を感じるか、学び取ることができるからです。リッツカールトンやマンダリン、ペニンシュラ、シャングリラなど、“ 一流”と呼ばれるホテルを探訪して、空間を通じて万人に受け入れられる魅力の表現の仕方を学び、それをサービスに活かしていることも事実です。また、プーケットにあるシックスセンシズ・デスティネーション・スパや、フィリピンはパマリカン島にあるアマンプロなど、世界の名だたるスパやリゾートに足を運び、そこで提供される最高のサービスや空間について学んできました。「本物のリュクス」を体験してみると、自分が思い描く理想や、反対にこれは自分のコンセプトには合わない、というようなことも見えてきます。そして、その経験は結果的に五感を鍛えることにつながっています。投資や労を惜しまず、ぜひ、いろいろな体験をしてください。それが、以下につづく「コンセプトづくり」の軸として役立ってきますから。

step2.一貫した想いを込めた空間コンセプトをつくる

 空間コンセプトづくりは、ブランディング、来客層の水準、お客様からの評価、はたまたスタッフのモチベーションにもつながる、大切な作業です。ここで重要になるのが、すべてのスペースにおいてコンセプトを「一貫」させること。そして、「日常」・「非日常」のコントラストを表現することです。お客様がエントランスからカウンセリングルーム~パウダールーム~トリートメントルーム~バスルームへと移動する流れの中で、ひとつのストーリーを違和感なく感じることができるか?また、お店の素晴らしさや、歓迎の想いや、気のきいた仕掛けに気づいてもらうことができるか?サロンのウリや個性、他店との差別化となる部分を明確化し、具体的に空間のどの部分に表現していくか、細かな部分まで手を抜かずにこだわりを追求しましょう。

step3.サロンのイメージを言葉にして第3者に的確に伝える

 空間づくりを具現化するためには、設計・施工会社やデザイナーが関わってくることがあります。また、それらの業者が関わらない場合でも、スタッフの協力を得なければならないことがあるかもしれませんし、最終的には、そのコンセプトがお客様に伝わらなければなりません。頭の中にあるたくさんのイメージや情報を言葉にして正確に伝えることで、Step2の「一貫したコンセプト」がより強固なものになります。また、その理想を具現化するためには、コンセプトや思いをしっかりと汲んでくれる、信頼できる業者を見つけることが大切です。設計・施工における経験やセンスだけにとらわれずに、じっくり意見を聞いてくれる人、意思疎通しやすい人をポイントに探すことをおすすめします。
 以上3つのステップは、お客様に空間を通して非日常を提供しようと思ったとき、大切な心構えになります。これらのステップから、ひと筋芯の通った「コンセプト」や「自店らしさ」を見出し、しっかり表現することができれば、お客様も自然と「リュクス」を感じてくださるものだと思います。

Profile 吉田 崇(よしだ たかし)
佐賀県出身。立命館大学卒業。株式会社船井総合研究所にて7年間、リラクゼーションサロン、接骨院・整骨院、治療院などに特化した専門コンサルティングに従事し、2008年1月 株式会社吉田企画を設立。「癒し」や「健康」をテーマとしたコンサルティングや講演活動を行うかたわら、人材紹介業、「スゴ技ネット」経営等の多岐にわたるビジネスを展開。著書に増刷2回の『はじめよう!「リラクゼーション」サロン』(同文館出版)、1万5千部発行 増刷11回の『儲かる!治療院経営のすべて』(同文館出版)などがある。

吉田企画オフィシャルサイト
http://www.r358.com/
ブログ「吉田崇のしゃちょうにっき」
http://blog.r358.com/
専門家を探せる「All Aboutプロファイル」
http://profile.allabout.co.jp/fs/yoshida-takashi/

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