吉田 崇がナビゲート!空間づくりの裏ワザで、お客様の心を動かそう!

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2010.08.10

編集部

日常生活では味わえない上質な時間を演出するためには、“お客様視点の”空間づくりやサービスを追求することが大事。ここでは、日ごろのサロンワークで見落としがちな空間づくりの「落とし穴」を、癒しのコンサルタント・吉田 崇氏が検証する。ポイントを押さえて明日からのサロンづくりに役立てよう。

●シャワールームやW.C.までの動線
シャワールームやお手洗いなど、デリケートなエリアにおいてはお客さまの動線とスタッフの作業導線が交差してしまわないよう、配慮することが大切。お客様がガウン一枚でも気軽に利用できるよう、最短、スムーズ、かつ気持ちよく辿りつけることを最優先に考慮した動線を設けましょう。また、お手洗いはお客様の多くが利用します。お手洗いまでの道のり間に、リラックス感をあおるような癒しアイテムをさりげなくひそめておくのもいいですね。

●お客様は見ています!リネン類の管理
繊維がほつれたタオル、そのまま使っていませんか?サロンの印象は、サロンコンセプトを反映した空間づくりだけではない、直接肌に触れるリネン類の使い心地からも表れます。タオル、シーツ、ガウンなど、リネン類は日ごろから衛生的な管理を行うのはもちろん、見た目や肌触りを考慮することも大事。いい香りのするふかふかのタオルを使用すれば、自然と気持ちも柔らかくなるもの。リネン類は単なる消耗品ではなく、お客様に少しでも上質な時間を提供するための重要なカギを握るツールです。

●記憶との結びつきが強い“香り”を上手に活用して
ある香りをかいだ瞬間に、今まで思い出しもしなかった記憶が蘇ることがあります。これをプルースト効果といいますが、人間の五感の中でも、特に臭覚は記憶との結びつきが強いとされています。非日常の空間で特別な時間を過ごしたとき、その感情が入り込んだ“香りの記憶”は長い間風化しないどころか、同じ香りをあるきっかけで嗅ぐことによって、その思い出が一瞬のうちに甦ってくるのです。「気持ちよかったトリートメントのときに嗅いだあのサロンの香り」というように、お客様に記憶づけたいもの。お客様にとって思い出深いサロンになるよう、コンセプトに合った香りをセレクトしましょう。

写真提供:(有)サマーウッド

●大切なのは“統一感”。ブレないコンセプトづくりを
一番大切だけれど、一番難しいのが“ブレない”空間コンセプトづくり。デザイン、設計、インテリアの配置、香りやサービスティーにいたるまで、オンリーワンのブランドストーリーをかたちづくらなければなりません。流行や一般論にとらわれず、ひと筋通った空間コンセプトを貫きましょう。たとえば、「××ティーが流行っているからお客様にお出しする」のではなく、「お店の香りに合ったお茶をお出しする」というようなこと。大切なのは“統一感”。コンセプトがブレそうになってきたら、オーナーの想い、提供する施術、セールスポイント、求める客層、サービス形態、回転率、イメージカラー、料金設定……などなど、サロン運営におけるすべての要素を、いま一度書き起こしてみるのもいいかもしれません。

●音の配慮、していますか?
せっかく非日常の空間を味わいに来たのに、車の音やおしゃべりの声などが周囲から漏れてくれば、一気に現実に引き戻されてしまいます。そういったことからも、デザインにかたよらず、遮音のための設備(窓や床)やインテリア(カーペットやカーテン)を選ぶことが大切になってきます。また、サロンワークに追われているとスタッフ自ら大きな音を立ててしまうことがよくあります。廊下をパタパタと小走りしてしまったり、施術のセッティングが雑になってしまったり。忍者のように全く気配を消すわけにもいきませんが、お客様もリラックスしていますので、大きな足音や物音、お水をジャージャーする音には注意しましょう。忙しい時こそ、落ち着いた行動を心がけましょう。

●パウダールームは“非日常”の始まり!
インテリアから壁紙、照明まで、凝りに凝った演出をしたサロンでも、意外と見落としがちなのがパウダールーム。ミラーと化粧台とロッカーがあればいい、なんて思うのは大きな間違いです。パウダールームは日常から別世界へといざなう重要なスタート地点であり、施術が終わって現実へ戻る準備をする最後の通過点でもあります。喧騒と静寂の狭間であり、非日常と日常が交差する空間。機能性と、快適さはもちろんのこと、インテリアや音や香りなどを駆使してエモーショナルな演出を。

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