ファンケル、水分応答性を持つ粉体を新開発

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2014.11.26

編集部

ファンケルは、甲南大学理工学部機能分子化学科と共同研究を行い、ポリトリメチレンカーボネート*に特定の分子を結合させることにより、水分に応答して分子の状態が変化し、水への濡れ性をコントロールできるポリマー*2の開発に成功した。
また、このポリマーを表面処理した粉体は、化粧もちに重要な耐水性と、洗浄時の洗い流しやすさを併せ持つことを確認し、現在、特許出願中である。

ファンデーションなどのメイク製品には優れた化粧もち効果が求められるため、使用される粉体には撥水処理が施される。しかし、撥水処理粉体は化粧もちが向上する一方で、洗浄時に水で洗い落としにくいという問題が生じている。
そこで同社では、水分に応答して表面に存在する分子の状態が変化するポリトリメチレンカーボネート(PTMC)誘導体に着目し、耐水性(化粧もち効果)と洗い流しやすさを両立する製品の開発に向け、甲南大学理工学部機能分子化学科と共同研究を続けた。その結果、乾いている状態では撥水性を示し、水に濡れると徐々に親水性へと変化する新規ポリマーの開発に成功した。

ファンケル総合研究所では、同研究の成果を10月27日から30日にフランス共和国(パリ)にて開かれた「第 28 回 IFSCC Congress」で「Development of powder with water-resistance and easily wash-off properties using poly(trimethylene carbonate) derivatives and its application to cosmetics」としてポスター発表した。さらに、11月28日に行われる IFSCC の国内研究発表会でも発表する予定となっている。
同社では今後も、この技術をファンデーションやサンスクリーンの製品開発に応用していく予定。

* 1ポリトリメチレンカーボネート
生分解性ポリマーとして外科用縫合糸などにも使用される生体適合性材料
*2 ポリマー
多数の分子が結合してできる物質のこと

参考リンク
株式会社ファンケル

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