香料ヘキシルシンナムのアレルギー患者は増加傾向

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2015.04.15

国際部

香料アレルギーのパッチテスト、FM IとFM IIへの反応の経年変化が4月2日、「Flavour and Fragrance Journal」に掲載された。

1970年代後半以来、欧米で食品や化粧品、石けん、香水などに添加する香料として広く使用されているフレグランスミックス(FM I)には、以下の8種のアレルゲンが含まれている。アミルケイヒアルデヒド、シンナミル、シンナミルアルコール、オイゲノール、ゲラニオール、ヒドロキシシトロネラール、イソオイゲノール、オークモスアブソリュート。

2005年には、フレグランスミックス(FM II)として、シトロネロール、クマリン、ファルネソール、ヘキシルシンナム、ヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド(HICC)の6種が追加された。FM IおよびFM IIは香料アレルギーのパッチテストの材料としても利用されている。日本ではFM Iが「Fragrance mix(フレグランスミックス)8%pet」として、ジャパニーズスタンダードシリーズのパッチテストの一項目で使用されている。

主なアレルゲンとして認知されているのは、FM Iでは天然香料のオークモス アブソュートとイソオイゲノール、FM IIでは合成香料のヒドロキシメチルペンチルシクロヘキセンカルボキシアルデヒド(HICC)だった。今回、皮膚科情報ネットワーク(IVDK:the Information Network of Departments of Dermatology )のデータ、1998-2013年 (FM I)と2005-2013年 (FM II)をレトロスペクティブ分析で検討した。

その結果、最も頻度の高いアレルゲンのランキングは、ヘキシルシンナム(hexyl cinnamal)に対する感作の増加を除いて、大部分は変更が見られなかった。化粧品やボディケア製品に使用されるオークモス アブソュート、イソオイゲノール、HICCに敏感な患者の絶対数が減少していた。

FMが香料アレルギースクリーニングの重要なツールであることは変わらないが、FM IまたはIIだけで香料アレルギーの診断を行うことはできない。香料アレルギーの可能性がある患者やFMで陽性反応が出た場合は、どの香料に反応したのか、また別の香料にも反応するのかを調査すべきと研究者らは述べている。

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