【連載】資生堂、2020年度に売上高1兆円目指す、コ-セー攻めの改革推進(中)

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2015.04.21

編集部

資生堂は、6年間の長期経営計画「ビジョン2020 」を策定し、2020年度に売上高1兆円超、営業利益1,000億円超を達成する。

ビジョン2020は、2015年度から2017年度の最初の3年間を「事業基盤再構築の期間」と位置づけ、その後の2018年度から2020年度の3年間を「成長加速」と位置付けて経営の成長・発展に取り組む。

最初の3年間では、ブランド強化、マーケティング・R&D 投資の拡大、組織・人事制度改革、空港などの免税店において訪日海外旅行者対象に商品を販売するトラベルリテール(TR)事業などに取り組み、売上高3~5%の年複利成長率(CAGR)を目指す。

免税店トラベルリテール事業については、すでにザ・銀座などの子会社を通じて成田第3ターミナルなど全国の空港にある43店舗の免税店(写真)で、化粧品を販売。

すでに、トラベルリテールは好調。2014年10月から12月のトラベルリテール売上は、訪日客の増加から前年比4割増となった。成田空港でも第1ターミナルの5店舗で同2割増、第2ターミナルの3店舗で同4割増となっており、TRへの対応を強化することで売上拡大とアジアからの訪日客を取り込む。また、複利成長率は、企業の成長性を分析する指標。複数年にわたる成長率を年間平均成長率に分解して算出する。

特に、2015年度からの3年間で注目されるのがマーケティング投資。投資ブランドの選択と集中を進め、顧客向け投資を強化する。

構造改革で捻出した原資すべてを成長投資に振り向ける。2015年度から累計で1,000億円超の規模でマーケティング投資を増加させて最適なブランドポートフォリオを構築し、ブランド価値、ロイヤリティを高める。

次の3年間では、ブランド数の絞り込みやコスト削減で資金を生み出し、研究開発や新製品開発、企業買収、グローバル体制の構築などに投資を振り向ける。

コーセーは、成長軌道に乗せる「攻めの改革」を継続推進する。成長ドライバーへの注力として海外事業や新規事業の拡大に継続して取り組む。また、基幹ブランド事業の収益性拡大やコスト競争力の向上、経営資源のパフォーマンス向上を図る。

同社は、決算期に合わせて中期経営計画を見直し(ローリング)ているが「攻めの改革」を継続して行うことで、2017年3月期に売上高2,080億円、営業利益率10%以上、ROA(総資産利益率=企業の経営効率を測る指標)10%以上を達成する計画。

参考リンク
【連載】化粧品各社業績V字回復見えず(上)

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