植毛のFUE法、8年の臨床経験でも安全性確認

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2015.05.12

国際部

男性ばかりではなく、女性にも増加中の薄毛の悩み。トルコの病院での毛根移植8年の臨床経験が5月7日、「Aesthetic Plastic Surgery」オンライン版に掲載された。

やけどやけがなどの後遺症または遺伝的な薄毛への、FUE法(Follicular Unit Extraction:フォリキュラー・ユニット・エクストラクション)はすでに10年の歴史がある。
日本でも種々の方法で、自分の頭髪を使った植毛(自毛植毛)が行われているが、なかでもFUE法は髪の定着率の高さや安全性が高いと言われている。この方法は、自分の頭髪(ドナー)採取の際にメスを使わず、頭皮を切開せずに行うことができるもので、錐状の専用器具を用いて髪を毛根ごと採取し、脱毛した部分に植毛するもの。

今回の報告があったトルコにある病院(Kayseri State Hospital)では、2005-14年にかけて1000人の患者がFUE法による毛根移植を受けた。うち、32人の患者では手技による方法で、968人はマイクロモーターと呼ばれる毛根採取の器具を用いた。手による作業では1000-2000の移植に6-8時間、マイクロモーター使用では同じ時間でも平均2500の移植が可能となった。毛根採取について患者は、困難だった11.1%、簡単だった52.2%、とても簡単だった36.7%と回答した。FUE法は安全で自然な外観を実現できると筆者らは述べている。

現在は、再生医療の分野で、幹細胞から毛根を培養して移植する方法の実現に向けて研究が進んでいる。「簡単だった」とはいえ、自分の髪を毛根から採取することなくできれば、さらに「簡単」に植毛に挑戦できるかもしれない。

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