タマネギ皮エキスで血管が若返るかも

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2015.08.7

国際部

タマネギの皮に含まれるポリフェノールが血管の機能を改善するという研究が、「NUTRITION」誌9月号に掲載された。

血管の最も内側にある血管内皮細胞は、血管の健康維持に重要な役割を果たしている。メタボリックシンドロームではこの細胞内皮機能が大きな影響を受け、動脈硬化やプラーク(粥腫)の不安定化を引き起こす原因ともなっている。この機能の回復にはポリフェノールが豊富な食品の摂取がよいとされている。

今回の研究は、ポリフェノールの一種ケルセチンが多く含まれていることが発見されたタマネギの皮のエキスと内皮機能の改善の関連を検討した。対象は72人の健康な肥満者で、タマネギ皮エキスをカプセルにしたものを服用したグループとプラセボ(偽薬)グループに分けて比較した。ベールライン値と比べ、タマネギグループは12週間で内皮流依存性血管拡張(FMD)の改善が見られた。偽薬グループではこの改善は見られなかった。ニトログリセリン投与後に測定したFMD(Nitroglycerin Mediated Dilation:NMD)は、どちらのグループにも変化はなかった。フローサイトメトリーを用いて測定した内皮前駆細胞(EPC)の数と割合はタマネギグループで顕著な増加を認めた。タマネギグループに割り当てられた患者で内皮機能不全を有する割合は、試験前の26%から試験後には9%へと大きく減少した。

今回計測した内皮前駆細胞は血管になる能力を持ち、再生医療の現場でも有望視されている細胞のひとつ。体内でこの細胞が増えることで血管の若返りが期待できる。

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