BMIではわからない「健康」値

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2016.02.9

国際部

体重と身長から算出し、肥満度を表す体格指数のBMI (Body Mass Index) 。もともとは、肥満が心臓病や糖尿病のリスクを上げることから、太り過ぎに注意を促すために用いられたもの。このBMIが健康とは関連しない可能性を探る研究が2月4日、「International Journal of Obesity」サイトに掲載された。

アメリカでは、人種・性別などによる差別廃止、平等の雇用を目指す雇用機会均等委員会(EEOC)が、「健康」なBMI値に満たない従業員の健康保険料を上げる事を可能にするルールを提案している。今回の研究はカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者らによるもの。NHANES(アメリカ全国健康栄養調査)2005–12年の調査結果から18歳以上の約4万人を対象に、BMI(体格指数)と健康との関連を検討した。

その結果、過体重の人の半数、肥満の人の29%は代謝からみて健康だった。また正常体重の人の30%は代謝的に不健康だった。BMIと人種には相互関係は見られなかったが、BMIと性別には相互関係が見られた。今回の調査から研究者らは、BMIを用いた健康・不健康の分類により、アメリカ人の成人約7500万人が「不健康」と間違った分類をされていると推定。政策立案者はBMIの誤分類を考慮すべき、研究者らは代謝の健康に関連する診断ツールの改善をすべきとしている。

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