カロリー制限で細胞の老化抑制も免疫力は致命的に低下

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2016.03.18

国際部

ドイツのFritz Lipmann Instituteの研究者らがカロリー制限が寿命を縮める可能性を示した論文を発表したと3月14日、同研究所のプレスリリースが伝えた。

食事が寿命に関係していることは知られているが、今回のFritz Lipmann Instituteの研究では、カロリー制限が体の免疫系弱体化に関係し、寿命を縮める可能性があることを明らかにした。研究の詳細は「the Journal of Experimental Medicine」誌に掲載されている。

数年に前に発表された研究ではカロリー制限をした線虫、マウス、キイロショウジョウバエでは寿命が延びることが確認されていた。しかし今回の研究で、これらの寿命への効果が霊長類には効かないことがわかった。カロリー制限によりマウスの幹細胞の老化は抑制できたものの、免疫系は文字通り致命的に弱まった。このことで、無菌状態が維持できない研究室の外では、生命の危険を伴う深刻な感染症につながる可能性が大きくなったという。

細胞は分裂のたびに劣化(老化)する。30%のカロリー制限をしたマウスでは、この造血幹細胞の分裂が抑制され、制限食後1年を経過しても、この抑制効果は続いていた。しかし一方で、マウスの免疫系は弱体化し、例えばリンパ球の生産は75%も減少し、結果的に細菌感染に弱いマウスとなっていた。

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