ロート製薬、軽い感触でクリームの密封効果を実現する新製剤を開発

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2016.07.25

編集部

ロート製薬株式会社(大阪府大阪市)は、従来、高粘度製剤にしか使用できなかった潤い密封技術(αゲル製剤化技術)を独自の成分の組み合わせにより、化粧水や乳液といった低粘度製剤にも使用できる新しいαゲル製剤化技術へと発展させることに成功した。この新技術を採用した製剤では低粘度でありながら、クリームと同等以上に潤い密封効果があることを確認した。

秋や冬の低湿度の環境では肌に水分を与えるだけでなく、与えた水分を閉じ込める効果のある保湿剤が有用だが、密封効果の高い製剤は使用感が重いものが多く、さっぱりとした使用感を好む人には使用しにくいものだった。

そこで同社では、肌に必要な保湿剤を心地よく快適に使えるよう「快適性」と「機能性」の両立をめざし、低粘度でさっぱりとした使用感でありながら、潤い密封効果が高い製剤の開発に着手した。

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近年開発された潤いを密封する製剤技術として、製剤中で分子が「αゲル」という構造をとる「αゲル製剤化技術」がある。

αゲルは、分子が規則正しく並ぶ構造を取ることで水分を逃がさず、高い潤い密封効果を発揮する。そのため、構造を維持しにくい低粘度製剤には使用が難しく、固いこってりとしたクリーム製剤にこの技術が用いられてきた。

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そこで同社では、従来αゲルを形成するのに用いられている成分に、適切な種類、配合量の高分子成分を組み合わせることで、低粘度でも規則正しいαゲル構造を維持できる技術を開発した。

この技術を用いた製剤と一般的な乳液、密封効果の高い保湿クリームを用いて試験したところ、低粘度でありながら保湿クリームと同等以上に高い潤い密封効果があることを確認。

これにより、低粘度でさらっとした使用感でありながら、クリームと同等以上に潤い密封効果が高く、保湿実感も得られる製剤の開発が可能となった。

また、今回の技術で形成されるαゲルは独特の構造で、保湿成分を多量配合してもべたつきを感じにくくなるため、保湿感はありながらもさっぱりとした使用感だという。

今後、この技術を同社の機能性化粧品等へと応用していく。

参考リンク
ロート製薬株式会社

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