豪の団体が発表「鍼治療は無意味」

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2016.08.5

国際部

代替医療を学ぶコースを大学などが持つことに反対している豪州の団体「Friends of Science in Medicine」(FMS)は7月25日、サイトで「Acupuncture Found to be Pointless(鍼治療は無意味)」というリリースを発表した。

リリースによると、鍼治療の有効性についての研究に数百万ドルが費やされた結果、鍼治療はプラセボ効果以上の効果、任意の持続的な利益を提供できるという一貫したエビデンスは存在しないことは明白とのこと。中国鍼の歴史と現状をまとめた報告書も出された。その中には、伝統的中国医療の一種として、日本には漢方というものがあるとも触れられている。

神経科学者でありFSMの幹部の一人Marcello Costa教授は「鍼治療は数十年にわたって研究されてきているが、その臨床的エビデンスは弱く、矛盾が存在する。これ以上の研究を正当化する必要はなく、鍼治療は効果がないとする十分なエビデンスがある」と述べている。

オーストラリアではホメオパシー、リフレクソロジーなどの代替医療を学ぶコースを持つ大学が多い。そのため、これら代替医療の信憑性をめぐっての議論・研究は盛んであり、また、税金の投入先である教育機関において、非科学的な学問が教えられていることに疑問を呈するのがFMSである。その活動には医師、研究者、消費者団体などオーストラリア国内外から多くの参加者を得ているという。
一方で、半数以上の国民が何らかの代替医療を利用しているという事実、また、これら代替医療に関する科学的研究は歴史が浅く、すぐに結論が出ないであろうという意見も根強い。

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