セブンアンドアイホールディングスの化粧品戦略(上) ~PB化粧品をコンビニなど橋頭保のナショナルチェーンで販売~

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2016.08.18

編集部

コンビニでPB化粧品販売国内最大の流通グループセブンアンドアイホールディングス(セブン&アイHD・東京都千代田区)は、系列のコンビニ店やスーパー、百貨店等で、化粧品メーカーと共同開発した自主企画(PB)の化粧品販売(写真)に力を入れている。いずれも、美容や健康に対する関心がこれまで以上に高まっていることから、化粧品の品揃えを強化することで、市場との差別化を図り収益向上に繋げる狙い。

セブン&アイHDは現在、傘下企業のセブン-イレブン・ジャパンでコンビニ事業を展開し、店舗数(加盟店)は、1万8572店(2016年2月末現在)にのぼる。また、同じ傘下企業でスーパー事業を展開するイトーヨーカ堂の店舗数は、182店舗(同)、さらに、百貨店事業を展開するそごう・西武は、23店舗を数えており、3社合わせた総店舗数は、2016年2月末現在で1万8777店にのぼる。

こうした全国に構築したナショナルチェーン網で、化粧品メーカーと共同で自主企画(PB)化粧品を開発し販売しているもの。特に、セブン-イレブン・ジャパンが展開するコンビニ店「セブンイレブン」でのPB化粧品の販売攻勢が目立つ。

大手化粧品メーカーと共同開発したPB化粧品をコンビニ店「セブンイレブン」で最初に販売したのが1999年3月。DHC と販売提携して、基礎化粧品「DHCプチシリーズ」をセブン-イレブン全店で取り扱いを開始した。その後、2004年4月にピアスグループのケセランパサランと共同開発した化粧品「パラドゥ」をセブンイレブン限定品のブランドとして販売した。また、2004年4月にコーセーと共同企画で、コーセーブランドの「雪肌粋」を販売。2008年3月には「純肌粋」を相次いで販売した(現在、純肌粋の販売は中止)。

2014年11月に同社は「美容や健康に対する関心がこれまで以上に高まってきた。顧客のニーズに的確に対応するには、コンビニ店における化粧品の品揃えを強化・差別化する必要性がある」として、ファンケルと共同で開発したPBブランド「ボタニカルフォース」を投入した。

ボタニカルフォースの販売は、コンビニ店に加えてイトーヨーカ堂のスーパー店舗やそごう・西武の百貨店を巻き込んだ全方位で販売を展開。2014年11月時点でのコンビニ、スーパー、百貨店合わせた店舗数は、総数1万7250店で、売上目標20億円を計画していた。
以降、ボタニカルフォースの販売は、「コンビニ販売での手軽さが受けて現在、美容オイルを中心に月間1万本のペースで売れている」と好調な売れ行きを説く。

同社が大手化粧品メーカーと共同開発したPB化粧品は、全方位での販売を現在でも継続中。今年度、セブン-イレブン・ジャパンは、コンビニ店の新規出店を過去最多の1800店計画していることからコンビニ店でのPB化粧品の販売はさらに加速するのは必至の情勢。

 

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