柑橘類で減量なしに肥満関連疾患を抑制

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2016.08.24

国際部

柑橘類が心臓病、肝臓病、糖尿病などの肥満関連の疾患を予防するという研究が8月21日、アメリカ化学会のプレスリリースに掲載された。研究の詳細は、8月21-25日にフィラデルフィアで開催される第252回アメリカ化学会全国大会で発表された。

ビタミンや抗酸化物質などを含む柑橘類は健康に良いとされている。今回の研究は、高脂肪食を与えたマウスを対象に、柑橘類が肥満の弊害である関連疾患予防に役立つことを報告したもの。
高脂肪食を摂取すると体に脂肪が蓄積される。増加した脂肪細胞は過度の活性酸素種が蓄積され、細胞に損傷を与える酸化ストレスを産生する。一般には体内の抗酸化作用でこれら酸化のプロセスを抑制しているが、肥満者では自身の持つ抗酸化作用以上の活性酸素種を生みだす脂肪細胞を有していると考えられている。そのため、研究チームは高い抗酸化作用を持つフラバノンを多く含む柑橘類に注目した。

研究はEstadual Paulista大学で実施された。オレンジ、ライム、レモンから抽出したフラバノン類(ヘスペリジン、エリオシトリン、エリオジクチオール)を用い、遺伝子操作をしていないマウス50頭を対象とした。対象を標準食、高脂肪食、高脂肪食プラスフラバノン類のグループに分けて比較した。その結果、標準食とし比較した高脂肪食マウスでは細胞損傷マーカーのレベルが大幅に上昇していた。高脂肪食と比較した高脂肪食プラスフラバノン類マウスでは、いずれのフラバノン類でもレベルの上昇が抑えられていることが分かった。また、ヘスペリジンまたはエリオジクチオールを摂取したマウスでは肝臓での脂肪蓄積や損傷も低減されていた。

チームを率いるThais B. Cesar博士は「フラバノン類は体重を減少させなかった。しかし、減量することなしに、酸化ストレスを減らし、肝臓障害をなくし、血中脂質や血糖値を改善した」と述べている。今後は、効果的なフラバノン類の摂取方法についての研究を続る予定という。

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