DHCの特許侵害を認めず 富士フイルムは控訴へ

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2016.09.5

編集部

富士フィルム

富士フイルム株式会社(東京都港区)が展開するスキンケア化粧品「アスタリフト」(2007年発売)に関する特許を株式会社ディーエイチシー(東京都港区)に侵害されたと訴えていた裁判で、東京地方裁判所は「富士フイルムの特許は無効だ」として8月30日、請求を棄却する判決を言い渡した。

訴訟の対象となったのは、DHCが2014年に発売した「DHCアスタキサンチン」シリーズのジェルとローション。富士フイルムは、これら2製品に配合されている美容成分「アスタキサンチン」をナノ化(微小化)し、安定的に配合する技術の特許に抵触、侵害していると主張していた。

東京地裁は棄却理由として、
1.富士フイルム特許に記載する全成分は既に出願前に開示されている(同社が「アスタリフト」以前に発売していた製品「エフスクエアアイ インフィルト セラムリンクルエッセンス」に「アスタリフト」と同成分を配合、開示していたことを指す)

2.富士フイルムが特許で主張するpH値は、発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が公知の文献等に基づき容易に想到することが可能である、つまり進歩性がないため無効である

以上の2点をあげた。

同社としては、上記「2.」のpH値が、アスタキサンチンを配合した化粧品を長期間安定化させるための研究の末に得たpH値の最適値設定にかかる重要な発明であり、従来技術と比較して十分効果があり、進歩性を有していると考えている。

富士フイルムは同判決を不服とし、控訴する。

参考リンク
富士フイルム「アスタリフト」
DHC「DHCアスタキサンチン」

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