肥満遺伝子によりダイエット法を変える必要なし

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2016.09.27

国際部

FTO遺伝子型と減量効果の関係を検討した研究結果が9月20日、「BMJ」オンライン版に掲載された。

最近注目されている肥満遺伝子(FTO遺伝子)は、脳の視床下部にあり食欲のコントロールに関連しているとされる。この遺伝子の影響を受けると、食欲が高まり、体脂肪蓄積に関係するホルモンのグレリンが多く分泌され、肥満につながると考えられている。

今回の研究は、食事、運動、抗肥満薬それぞれの介入による体重減少に対するFTO遺伝子型の影響を評価した。研究方法は、公表されている減量介入試験の報告8件(対象人数9563人)のデータのシステマティックレビューとメタ解析とした。全体として、BMI(体格指数)、体重、ウエスト周囲径の変化の大きさはFTO遺伝子型による有意差はなかった。減量方法、減量期間、民族、試験の大きさ、性別、試験開始前のBMI値、年齢などもFTO遺伝子型の影響を受けなかった。

FTO遺伝子のマイナーアレルは、減量結果に関係しないという今回の知見から、食事、運動、抗肥満薬治療のいずれも、肥満の遺伝的素因と関係なく減量に成功できる可能性が示唆された。

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