食品添加物の乳化剤、腸内細菌に悪影響

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2016.11.11

国際部

乳化剤と大腸がんの関連性を調査した研究論文に関するプレスリリースが11月7日、アメリカのジョージア州立大学から出された。詳細は「Cancer Research」誌に掲載されている。同大学の研究者Emilie Viennois博士、Didier Merlin博士、Andrew T. Gewirtz博士、Benoit Chassaing博士らによるマウスを使った試験では、 食感を良くしたり、消費期限を延長させたりという目的でほとんどの加工食品に添加されている乳化剤が、腸内細菌に影響を与えることで大腸がんの発症に関係しているという。

大腸がん(原文 colorectal cancer、訳は大腸癌研究会サイトを参照)は、世界的にがん関連死では4番目に多いがん。2012年には70万人の死因となった。また、大腸がんは20世紀半ば以降、急激に増加傾向にある。乳化剤は腸の慢性的炎症を促進することが知られており、今回の研究はその知見を一歩進めたものとなる。

試験は、一般的に使用されている乳化剤のポリソルベート80およびカルボキシメチルセルロースをマウスに摂取させる方法で行われた。その結果、炎症を促進させる可能性のある方向での腸内細菌の種組成変更が確認された。これにより、乳化剤の摂取で大腸がんリスクが増加することが火確認された。腸内細菌のいない無菌マウスではこれらの変化は見られなかったが、乳化剤摂取後の通常マウスの腸内細菌を無菌マウスに移植すると、腸の上皮細胞に異変が生じた。

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