ジャパンハーブソサエティー、新春ランチ会「学んで食す薬膳料理」を開催

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2017.01.18

編集部

NPO法人ジャパンハーブソサエティー(JHS、東京都千代田区)主催の新春ランチの会 「学んで食す薬膳料理」が17日、都内の中国薬膳料理「星福(シンフウ)」銀座本店で開催された。参加者たちは薬膳メニューの解説を聞きながら、本格的薬膳料理の味に舌鼓を打っていた。

今回のランチ会は、月例勉強会の一環で、毎年、新年の初めは食事会を兼ねた勉強会を実施しており、今年は薬膳がテーマ。「人と人とのつながりを大切にしたい」(理事長 坂出智之氏)という方針のもと、各支部から集ったJHS会員らはお互いに親睦を深め合う良い機会となった。

今回、振る舞われた薬膳コースは、冬の季節に合せたメニュー10品目で構成。“補気”をメインに据えて、高麗人参が多めに使われた。「冬にしっかり栄養を蓄えて、身体の調子を整えることで、春を元気に迎えることができる」(株式会社星福薬膳企画 取締役 石偉佳氏)との狙いがある。

前菜はお麩、豆腐干絲、クラゲの3種類の盛り合わせ。お麩には銀杏、黒木耳、金針菜を織り交ぜ、豆腐干絲には枸杞の実を載せた。クラゲは頭の笠の部分を使った高級品。「肉を使わず、油をほとんどゼロに近く抑えているので、カロリーを気にせず食べることができる」(石氏)。

前菜の次は、「オリジナル薬膳の蒸しスープ」。白木耳、蓮の実、甜杏仁、玉竹、高麗人参、党参、沙参、黒クワイ、アガリクス、枸杞の実などの食材を使用し、蒸す工程も多く時間と手間をかけて煮込んだ。「今回は万人向けに作った。まずは薬膳スープの良さを知ってもらうのが目的」(石氏)といい、参加者からも「美味しい」「身体が温まった」「気の巡りが良くなった」などといった声が挙がった。同店では、「季節やお客の体調に合わせた薬膳スープを用意できる」(石氏)。

ちょっとした工夫が凝らされていたのは、「エリンギと海老の海苔巻き揚げ」。一見、日本の揚げ物のように仕上がっていたが、陳皮の粉末を振りかけて揚げているので、油の粘性を抑制している上、味も甘味と酸味を味わえた。

「茯苓入り挽肉となすの炒め」は、中国でよく調理される品の一つ。「ブタ肉とナスの組み合わせは、中国では昔から疲労回復に良いとされている。茯苓は粉末にして、仕上げの際に振りかけて、余熱で炒めた。茯苓は疲労による筋肉の痙攣に対応でき、中国では茯苓餅、茯苓粥など多くの料理に使われている」(石氏)。

終盤に出された海鮮炒飯も特別で、香港の“大地魚”というヒラメの干骨を粉末状にして、調味料的に使用。「当店のチーフのこだわりで、塩の代わりに使っている。これを入れるか入れないかで、炒飯の味は違う。一度食べると病みつきになる」(石氏)といい、普通の炒飯とは一風変わった美味しさが味わえた。

「葱つゆそば」もユニークな一品で、単なる葱と麺ではない。「オリジナル薬膳の蒸しスープ」の上澄み汁“上湯(あるいは高湯)”を使っており、「このそばしか食べないお客もいるくらい。ハマっている常連客がいる」(石氏)という。

このほか、「汁たっぷり小龍包」「高麗人参入り牛肉のオイスターソース炒め」「野菜のお粥」「杏仁豆腐」「薬膳酒」などが振る舞われた。各メニューごとに石氏の解説が加わり、参加者の間からは「薬膳に対する基本的な考え方がしっかりしている」との声も聞かれ、各々で薬膳を堪能しながら交流を深めた。

JHSは1984年に設立された団体で、全国のハーブ研究家やハーブ関連企業、自治体などと交流・連携し、ハーブの普及、情報提供、地域貢献活動などを行っている。北海道・北見から沖縄・石垣島まで29支部があり、地域の特徴を活かしたイベント、ハーブサミット、セミナー活動を実施。現代の時間に追われた慌ただしい生活の中で、ハーブを生活に取り入れた心の豊かさを追及している。

参考リンク
NPO法人 ジャパンハーブソサエティー
中国薬膳料理 星福(シンフウ)

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