大正製薬、発毛剤の商品訴求図る(上)

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2017.04.24

編集部

大正製薬株式会社(東京都豊島区)は、壮年性脱毛症における発毛、育毛促進及び脱毛(抜け毛)等の進行を防ぐ男性用発毛剤「リアップX5プラス」(第1類医薬品)の発毛効果データをネット上などに公開してパーソナルユース向けに商品の訴求力向上に打って出ている。

リアップX5プラスは、「リアップX5」のニューバージョンで2016年10月に販売した。有効成分としてミノキシジル(米国で血管拡張薬として開発されたが発毛効果があることから発毛剤に転用された)に加えて発毛促進効果があるセンブリ抽出エキスや甘草根から抽出され、解毒作用・抗アレルギー作用・刺激緩和作用・カブレ防止などの効果があるグリチルリチン酸ジカリウムなどの生薬も配合されている。

同社が「リアップX5」の臨床データを公表したのは2009年12月だがリアップX5と同じ性能を持つ「リアップX5プラス」の臨床試験データ(承認申請時の添付データ)を公開したのは、安心・安全を顧客に理解・浸透させることで、需要拡大に繋げる狙い。

臨床データは
①リアップX5を被験者に長期投与(52週)した結果を医師が評価
②リアップX5を使用した被験者の1㎠当たりの総毛髪数の変化
③リアップX5を使用した被験者の1c㎡当たり40μm以上の太さの毛髪数の変化
④リアップとリアップX5を使用したそれぞれの被験者の1c㎡当たりのリアップとリアップX5を使用したそれぞれの被験者の1c㎡当たりの総毛髪数の変化を臨床試験し効能・効果を評価したもの。

①の①臨床データ(グラフ)は、リアップX5長期投与試験の被験者の発毛に対する効果を医師が知見してグラフ化したもの。
リアップX5を1日2回使用して4週間ごとに、被験者自身が自分自身の毛髪の状態を「非常に良くなった」「良くなった」「少し良くなった」「変わらなかった」「悪くなった」の 5段階で評価している。「少し良くなった」までを含めると、使用12週間後で4割以上の方が発毛効果を実感しており、 使用52週終了時では9割以上の方が発毛効果を実感していることが分かった。
②の1㎠当たりの総毛髪数の変化は、毛髪数の変化を確認し、その増減数を示した。4週間後では1.4本だった増加数が8週間後では19.0本となり、24週終了時では開始時から21.8本増加していることがわかった。
③1c㎡当たり40μm以上の太さの毛髪数の変化では、使用開始4~24週間後まで4週ごとに、開始時と同一部位(1㎠)における40μm以上の太さの毛髪数の変化を確認し、その増減数を示した。4週間後では0.8本だった増加数が、8週間後では15.3本となり、24週終了時では開始時から25.6本増加していることがわかった。

同社は、1999年2月に厚生労働省から国内で初めて医療用ではなく大衆薬のダイレクトOTC薬として承認を受けた。同年6月には、ミノキシジル1%配合の一般用医薬品「リアップ」(男性用)を国内市場に投入した。以降、2005年にミノキシジル1%配合の女性用発毛剤「リアップレディ」を投入。また、2008年には、ミノキシジル1%配合に3種の有効成分を加えた男性用発毛剤「リアッププラス」を販売。翌年の2009年6月には、ミノキシジル5%配合の「リアップX5」を市場投入。さらに2015年10月に「リアップX5」のニューバージョン「リアップX5プラス」を販売し現在に至っている。

リアップシリーズは、2013年12月の薬事法の一部改正で、2014年6月からネット解禁された。薬剤師の処方が必要な縛りがあるものの、今のところ薬事法改正によるネット販売を追い風に売上は堅調に推移している。

リアップX5シリーズの売上高は、2016年3月期で165億円にのぼる。同社は、リアップシリーズの効能効果を訴求することで、パーソナルユースの需要拡大に繋げる。

※本文中に一部、誤りがありましたので、訂正させて頂きました。

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