穀類の摂取が多い人は糖化しにくい

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2017.07.6

国際部

健康な成人における食生活および体型とからだの糖化との関連を調べた研究が6月27日、 「European Journal of Nutrition」オンライン版に掲載された。

生体の糖化が老化を促進するという「糖化ストレス」は 食事由来の還元糖とたんぱく質の反応によるたんぱく糖化最終生成物(advanced glycation end products:AGEs) の生成過程を指す。このAGEsはヒトの体にさまざまな悪影響を与えることが知られている。糖化ストレスは糖代謝異常、また食事や運動などの生活習慣との関わりが強いと考えられており、糖尿病患者を対象とした皮膚の蛍光と疾患の関連を調べる研究が進められている。皮膚蛍光(皮膚自家蛍光)は、AGEsの多くが特徴的な蛍光を有するため、蛍光測定によりヒトの皮膚から非侵襲的にAGEs蓄積量を測定できるとして注目されている。

今回の研究は、健康な成人ボランティア251人を対象に、習慣的な食生活や生活行動と皮膚蛍光値およびAGEsが蓄積しやすい生活習慣の関連を調査した。ボランティアは食品頻度票と身体活動に関するアンケートに回答し、腰囲、BMI、血圧、血糖およびAGEリーダーで皮膚蛍光を測定した。

その結果、皮膚蛍光値と腰囲、体重、BMIおよび肉および肉製品の消費との間に有意な正の相関が認められた。穀物消費との間には負の相関が見られた。喫煙者も非喫煙者に比べて有意に高い皮膚蛍光値を示した。回帰分析では、皮膚蛍光値の重要な予測因子として、年齢、喫煙、胴囲、肉製品の消費が確認された。食事由来のAGEsの大量・頻繁な摂取が健康な人の糖化ストレス、また病理学的疾患プロセスに影響するかどうかの評価にはさらなる研究が必要と論文著者らは述べている。

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