化粧品のハラル認証取得状況は低迷状態

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2017.11.13

編集部

ハラル認証化粧品を取得した国内企業が約30社にのぼることが、美容経済新聞社の調査で明らかになった。食料品や加工食品を中心にハラル認証を取得した件数が全国で約500件を超えるとみられる中で、化粧品のハラル認証取得件数は、いぜん低迷状態にある。

ハラル認証とは、イスラム教の戒律に則って製造・加工・調理された商品であることを証するシステムのこと。化粧品などの製造工程で原材料に豚由来成分やアルコール等が使用されていないこと。同時に、保管・流通過程で非ハラル商品と接触していないことなどが求められる。

同新聞社が化粧品のハラル認証を取得した企業調査の中で現在、15社がハラル認証を取得したことが明らかになった。しかし、実際は、倍の30社強がハラル認証を取得しているとみられる。
この理由としてハラル認証の取得は、日本のイスラム団体とは限らず海外のイスラム圏で取得するケースが見られること。そのため、化粧品のハラル認証取得が明らかになるまで1年から2年の歳月を要するなど、認証確定までタイムラグが生ずることによる。しかも、国際化が進展する中で、シンガポールやマレーシア、インドネシアなどのイスラム国で化粧品の販売事業を展開する日本企業にとって、ハラル認証取得は、至上命題といえる。

タイでハラル認証を取得した双日コスケティックス株式会社(東京都中央区)は、ハラル認証を取得した洗い流しパックなど3アイテムをインドネシアの大手ドラッグストア企業と提携して販売(2015年7月)している。

PBJ株式会社(東京都足立区)は、2016年10月にキルギスの首都ビシュケクの百貨店にスキンケアシリーズ「桃姫」ブランドの専門ショップをオープンした。ここへきて東南アジア諸国にも販路を拡大している。
「桃姫」は、保湿成分として桃の葉や種子エキス、桃果汁、加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸を配合し、低刺激でほんのり優しい桃の香りが特徴。イスラム教で禁止されているブタ由来成分やアルコール由来成分をはじめ、鉱物油や石油系界面活性剤、パラベン、着色料などを排除。ハラル専用の製造ラインを使用している。

城西大学薬学部(埼玉県坂戸市)は、ムスリムが多いマレーシアの姉妹大学から留学生を受け入れていることが縁となり、2014年に埼玉県薬務課、埼玉県化粧品工業会とともにイスラム対応化粧品の研究を開始。3者の研究成果をもとに石田香粧株式会社(東京都台東区)が化粧品を製造。現在、同社がハラル認証自然派化粧品「メラティ」を国内販売している。

株式会社ユーグレナ(東京都港区)とグループ企業の八重山殖産株式会社(製造部門、沖縄県石垣市)は、微細藻「ミドリムシ」とクロレア粉末についてハラル認証(2013年12月)を取得している。

ここへきて東亜大学(山口県下関市)と化粧品製造販売の株式会社レイナチュラル(東京都中央区)は、共同でハラル化粧品の開発に取り組む。学生の起業家を育てる教育プログラムと連動させながら、学生中心に商品開発を行う。

今のところ国内企業の化粧品ハラルの認証取得は盛り上がりに乏しいが、開催1000日を切った東京オリンピックに向けたインバウンド需要で、化粧品のハラル認証取得の動きが一段と顕著になるのは必至。今後、化粧品のハラル認証取得の動きを注視していく必要がある。表に化粧品のハラル認証を取得した国内企業15社を示す。

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