術前術後の写真、HP掲載禁止するも詳細な説明あれば対象外に

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2017.11.30

編集部

美容医療をめぐる術前術後の写真、いわゆるビフォー・アフター写真のHP上への掲載が禁止されることとなった。29日に開催された、厚生労働省の「第7回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」において大筋了承を得た。ただし、ビフォー・アフター写真に詳細な説明を加えれば禁止対象外とし、患者への情報提供に一部配慮した格好となった。

同検討会では、新たな省令・ガイドライン案が示された。焦点のビフォー・アフター写真については、省令案に「治療等の内容又は効果について、患者等を誤認させるおそれがある治療等の前後の写真等の広告をしてはならない」ことが盛り込まれた。

新ガイドライン案の中でも「(ビフォー・アフター写真は)個々の患者の状態等により当然にその結果は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることから、誤認させるおそれがある写真等については医療に関する広告としては認められないものである」と明記し、手術以外の処置等を含めたビフォー・アフター写真やイラストのみを並べ、説明が不十分なものを禁止した。

ただし、新ガイドライン案には「術前術後の写真に通常必要とされる治療等の内容、費用等の詳細な説明を付した場合についてはこれ(広告)に当たらないものである」と明記し、ビフォー・アフター写真に詳細な説明を加えたものについては禁止の対象外とすることを盛り込んだ。

一方、体験談の取扱いについては、「患者等の主観又は伝聞に基づく体験談を広告をしてはならない」と省令案に記載。新ガイドライン案には「(医療機関への誘引を目的とする)体験談等については、個々の患者の状態等により当然にその感想は異なるものであり、誤認を与えるおそれがあることから、医療に関する広告としては認められないもの」と明記した。ただし、「個人によるウェブサイトへの口コミなどの掲載については広告に該当しない」とした。

美容医療の広告をめぐっては、今年6月に成立した改正医療法の施行に伴い、Webサイト(メルマガなども含む)も医療法上の広告規制対象に含まれることとなった。虚偽または誇大等の表示を禁止し、是正命令や罰則等の対象となっている。そのため、新ガイドライン案には、広告禁止事項の具体的な例示も示された。

例えば、「どんなに難しい症例でも必ず成功します」「一日で全ての治療が終了します」「〇%の満足度(根拠・調査方法の提示がないもの)」「当院は、〇〇研究所を併設しています(研究の実態がないもの)」などを虚偽広告、「芸能プロダクションと提携しています」「著名人も〇〇医師を推薦しています」などを比較優良広告、「〇〇学会・協会認定医(活動実態のない団体による認定)」「〇〇手術は効果が高く、おすすめです」などを誇大広告、「ただいまキャンペーンを実施中」「期間限定で〇〇療法を50%オフで提供しています」などを費用を強調した広告、などとして禁止した。

このほか、消費者に広告と気付かれないように行われる、いわゆるステルスマーケティング等についても「医療機関が広告料等の費用を負担等の便宜を図って掲載を依頼しているなど、実質的には(中略)広告として取り扱うことが適当な場合があるので十分な留意が必要」と明記し、ステマも広告に該当する旨を追加した。

新しい省令・ガイドライン案は、12月~1月にパブリックコメントを実施。2018年1月に社会保障審議会医療部会へ報告後、同年3月末に省令を公布、同年6月1日に施行される予定だ。これに伴い、現行の医療広告ガイドライン及び医療機関ホームページガイドラインは廃止される。

参考リンク
厚生労働省

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