北海道でハスカップ化粧品を開発する連携体に農商工連携認定

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2018.01.11

編集部

平成29年度の農商工連携事業として、株式会社アメージングアンク(北海道札幌市)を主体とする連携体5社が行う化粧品の開発・販売事業が認定された。
農商工連携事業は、政府が2008年7月に「中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律」(農商工等連携促進法=6次産業化法)を施行。以来、農林水産省と経済産業省が6次産業化の創出と地域活性化に繋げる狙いで、両省の北海道や関東、関西など8出先機関(農水局、経済産業局)を窓口に同事業の公募と採択を行っているもの。

今度、農商工連携事業に認定(2017年8月)されたのは、農業事業者でハスカップ(写真)を栽培する「エサキ」と同連携事業の中核事業者でエステ経営の知見を活かしてハスカップの化粧品開発と美容室、サロン等へのサービス提供を行うアメージングアンク、販売促進を担当する有限会社トライアド(北海道札幌市)、商品の共同開発とOEM製造担当の株式会社ベルクール研究所(北海道札幌市)、中小企業のネットワーク化や図業推進をサポートする一般社団法人北海道中小企業家同友会(北海道札幌市)など5社の連携体企業。経済産業省の出先機関北海道経済産業局が認定した。

連携の経緯は、アメージングアンクとエサキが北海道中小企業家同友会の活動において親交があり、新規事業についてアイデアを構想する中で果実「ハスカップ」を原料とするエステ化粧品の加工・販売・サービスの提供をおこなうことで合意した。しかし、連携に当たっての課題として農業者の主力農作物であるハスカップをはじめとするベリー類は、主に菓子類向けに栽培しているが、ブームに左右されやすいことから、安定的な販売先の確保や食用以外の分野への用途拡大が課題であった。特に、同事業の中心企業アメージングアンクは、自社の美容室で展開するハーブエキスを用いた頭皮ケアサービスについて材料費が高価なため収益性が低いことが課題であった。

同事業では、こうした課題を解決するために、シワやたるみを改善する成分が含まれるハスカップのエキスを抽出し、エステ用頭皮ケアエキス、ジェルエキス等を開発して自社のエステサロンでオリジナルケアメニューとしてサービス展開する。また、全国の美容室やエステサロンでの取扱いを目指し、ハスカップ化粧品類のブランド力と知名度向上に取り組む。

現在のところ、平成30年度をメドに化粧品として実用化する計画だが、連携体には化粧品メーカーも参画していることから実用化は1年前倒しになることが予想される。
今のところ化粧品に主眼を置いた連携の動きは少ない。しかし、地域で算出される農産物や果樹、植物などに化粧品の成分として活用されるケースは埋没して表面に出ない状況にある。再度、地場産品に視点を当てて化粧品を開発する地元中小企業の農商工連携の動きに期待が高まる。

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