大王製紙「CNF乾燥体」、保湿効果狙った化粧品などの用途も

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2018.02.5

編集部

大王製紙株式会社(東京都千代田区)は、セルロースナノファイバー(CNF)を用いた「CNF乾燥体(粉末状)」の量産化に向けたサンプル提供を開始している。化粧品をはじめ、自動車用部品、電化製品、塗料、食品、紙・板紙や家庭紙製品などの用途開発を目指している。

同社では、『ELLEX(エレックス)』という名称で展開。実用化を目指して、水分散液(Slurry)の『ELLEX-S』、成形体(Mold)の『ELLEX-M』、乾燥体(Powder)の『ELLEX-P』の3タイプを用意している。

CNFの研究開発をめぐっては、2016年4月に水分散液のパイロットラインを稼働。CNFとパルプ繊維を複合化した成形体の開発も行い、2017年4月には、CNFをトイレ用ペーパークリーナーに配合した『エリエールキレキラ!目に見えない汚れまで徹底トイレおそうじシートナノEX』を発売し、シートの丈夫さに対する生活者の高い評価を受けた。

2017年10月には『キレキラ!トイレクリーナー』の全商品にCNFを配合する品質リニューアルを実施。実用事例がまだ少ないCNFを、いち早く採用した着眼点と先進性が評価され、2018年1月には「2017年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞 日経MJ賞」を受賞した。

これまで300社を超えるサンプル提供を行ってきた中で、樹脂と複合化する上で水分を抑えたCNFが欲しいというニーズに対して、CNF乾燥体を一部ユーザーに限定してサンプル提供してきたが、2017年12月に同社三島工場内にCNF乾燥体のパイロットプラント(生産能力:年間約10トン)の建設工事を完了し、2018年1月から、多岐にわたる用途開発および量産化に向けたサンプル提供を開始している。

今後は、CNF乾燥体(粉末状)により樹脂複合材料の量産試作に対応していくと共に、樹脂複合材料の加工性を更に向上させるべく、樹脂にCNFを配合した「CNF高濃度配合ペレット」の供給に向けた開発を進め、事業化に向けた取組みを強化していく考えだ。

参考リンク
大王製紙株式会社

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