アイビー化粧品の3Q決算業績、苦戦が続く

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2018.02.15

編集部

株式会社アイビー化粧品(東京都港区)は15日、都内で決算説明会を開催し、2018年3月期第3四半期の業績が赤字に転落したことについて「予想していたイメージと真逆の結果になった」(常務取締役の中山聖仁氏)として厳しい状況をにじませた。

売上高は前年同期比20.6%減の35億8000億円、当期損失は4億7800万円。同社は毎年9月、3月に売上が集中する傾向にあるので、第3四半期は元々大きな予算は確保していない。それでも「販管費が33億3800万円と売上に対して9割を占める状況は危機的」(中山氏)との認識を示し、社内で警鐘を鳴らしたことも明らかにした。

同社が強化製品と位置付けている『レッドパワー セラム』は、「当初100万本の売上を目指していたが、約3分の1しか売れていない」(中山氏)ため、3Qも在庫が積みあがった。併せて、売掛金回収についても課題を残し、財務面での改善が求められている。

一方、明るい材料もある。販売会社が2017年12月末で同年9月末比11社増の240社、営業所も同162カ所増の5929カ所などと販売組織は着実に成長。また、各種研修動員数も増加傾向にあり、社会貢献活動の一環である「親と子のかかわり方教室」が前年同期比33.6%増の2065名、「SA研修」が同8.7%増の1491名などとなった。

特に「親と子のかかわり方教室」は「ビジネスの話はしないものの、売上と相関関係にある」(中山氏)取り組みで、研修動員数の増加は将来の売上増に結び付くとの認識を示した。

「ここ5年の間、平均4割は売上が上がっている」(中山氏)という実績を持つアルテミスサロンの展開については、アルテミス ザ・ショップが51店舗、アルテミス ザ・ルームが52店舗と計103店舗となり、地道に増えている。

第4四半期については、2月から出荷が始まった浸透美活液『ホワイトパワー セラム』の販売に注力する。「美白の医薬部外品だが、美肌の製品でもある。『レッドパワー セラム』よりも価格は安いので、20代を含めた若い世代にもすそ野を広く販売できる」(中山氏)と見ている。『ホワイトパワー セラム』は目標売上100万本の達成は「厳しい状況だが、今後は『レッドパワー セラム』とセットで拡販していく」(同氏)。

また、対面販売を基本とする同社にとって、現在、頭を悩ませているのがネットによる非正規流通。正規販売社、販売員のモチベーション低下などにつながる問題でもあることから、「非正規ルート販売社などに対しては警告書を送り、それでも改善しない場合は訴訟も起こす」(中山氏)と厳しい対応に乗り出す姿勢を示した。将来的には、流通ルートを把握できるトレーサビリティシステムの導入についても検討する考えだ。

参考リンク
株式会社アイビー化粧品

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