株式会社アイスタイル 取締役 兼 CQO私の使命
インタビュー・山田メユミさん

インタビュー

監修:美容経済新聞

第2回「誰よりも濃い大学四年間」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人と接するのが好きなんだ」

長万部の生活が自分を変えた

 

長万部の校舎は山の上にぽつんとあるわけですが、窓を開けると、それはもう壮大な草原と海。本当に大自然の中に校舎があるんです。大学生らしい遊びは全然できないんですけれども、スキーをしたりゴルフをしたり、テニスしたり乗馬したり、乳搾りしたり(笑)。男子学生はワカメを採るアルバイトにみんなで行ってましたね。町民の方のところに行って、鮭を捌くのをお手伝いしたりとか。普通だとなかなか経験できないようなことを一年間徹底してやりましたので、とても勉強になりましたし、楽しかった。その時の友人とは今でも頻繁に連絡を取り合っています。

大学2年生からは千葉に戻り、野田校舎に通っていました。大学3年生の頃はすでに「卒業後は化粧品関係の会社に就職したい」と強くイメージしていたんです。そこで大学4年の一年間は、外部研究生として他大の医学部に通っていました。学生は他にいない環境で、医師や研究者の方の中でアシスタント的に働きながら学生をしていたので、同級生よりも一年早く社会に出たような感覚ですね。

学生時代、いろいろなアルバイトもしていました。大学1年生の時は、長期の休みでもほとんど実家に戻らずに、ニセコのペンションやレストランで、住み込みで働いていましたね。その経験がすごく楽しくて、東京の校舎に通うようになっても、夏休みや冬休みには八ヶ岳や北海道に住み込みでアルバイトに行きました。多くの人たちのコミュニティの中に入って地元の方と触れ合ったり、他大の大学生と交流したりということが、すごく自分の刺激になるなということに気づいたんです。大学に入るまでは特別に人と接するのが好きという感覚はあまりなかったんですが、長万部に行ってからちょっと変わったかもしれません。アルバイトしたお金を貯めて、いろんなところに一人旅をしてユースホステルに泊まるようなこともしました。高校生まではまったく経験がなかったのに、全寮生活の経験を経てから世界がとても広がりましたね。

 

就職氷河期だった就活時代

諦めずに化粧品業界の世界へ

 

さて、いよいよ就職活動です。就活のときは化粧品メーカーばかり集中して受験していました。ただ一度だけ、先生の勧めもあって、人の遺伝子解析を行っている公的機関の研究所の推薦試験を受けたことがあったんです。でも「自分はこういう道ではなく、やっぱりものづくりの仕事がしたい、化粧品の開発に携わりたい」と改めて強く感じるようになって、最終面接の前に辞退をしました。そこからは本当に化粧品メーカー一本。といっても、当時はまさに就職氷河期。四大卒で、女性で、研究職希望でというと、そもそも門戸が開かれていないんです。男子学生でないと会社説明会にも呼んでもらえないというのが、正直なところ、当時の情勢としてありました。男子学生から会社説明会のハガキを譲ってもらって説明会に参加したりすると「なんで君が来てるの?」と言われてしまうような……。女子学生には厳しい状況でしたが、諦めるという感覚はまったくなかった。誰でも知っているコンシューマ向けの商品を作っている会社でなくとも、原料メーカーなどBtoBのビジネスで化粧品を扱っている会社を見つけようと、『週刊粧業』や『フレグランスジャーナル』などの業界誌を大学の教授から教えていただいて、かたっぱしから取り寄せて読み込みました。

1 2 3 4 5 6 7 8 9
株式会社アイスタイル 取締役 兼 CQO 山田メユミさん

株式会社アイスタイル
取締役 兼 CQO


東京理科大学基礎工学部生物工学科卒業。
化粧品メーカーなどを経て、1999年に個人で発行していた化粧品のメールマガジンをきっかけに『@cosme』を企画立案、サイト立ち上げに参画。アイスタイルの共同創業者であり、現在も同社取締役兼CQOを務めるほか、経済産業省等の消費およびインターネット関連委員も歴任している。2017年より、株式会社かんぽ生命保険、セイノーホールディングス株式会社の社外取締役を務める。
文=岡本茉衣 写真=是枝右恭

#

↑