理美容・エステ・美容家電各社の成長戦略【3】不二ビューテイ、今期売上高200億円、12月から通販事業開始

2013.10.29

特集

編集部

美容業界において会社名「不二ビューテイ」より「たかの友梨ビューティクリニック」と言った方が名声を響かせる。1979年11月に法人化して以来、今年11月で満35年を迎える。今では、顧客数100万人を擁する美容業界のパイオニアにのし上がった。そこで、自ら広告塔となって1,000名を超える社員を牽引しながら100年継続する企業に意欲を燃やす不二ビューテイ代表取締役たかの友梨氏に経営の実態と成長戦略を聞いた。

不二ビューティー・高野友梨氏―国内エステサロン市場についての評価・分析から伺いたい

「先の大震災で、全国のエステ店が500店舗閉鎖したほか個人サロンも閉鎖に追いやられるなど国内エステ市場は、戦後最悪の状況といっても過言ではありません。ここへきて医療クリニックやホテル、スポーツ施設、調剤薬局などがエステ市場に新規参入するなど業態の多様化と競争が激しさを増しています。一方で、ホテルのスパ施設などでは、エステティシャンを新規採用するなどエステ需要の高まりに繋がる動きとして期待感を持っています。」

―そうした市場の中で貴社の事業実態、業績はどうなっていますか

「平成25年9月期の業績(連結)は、昨年10月から今年3月まで客単価を1人当たり2000円ほど値上げした効果が奏功して総売上高180億円(連結)を達成。内訳は、サロン売り上げが160億円でこの内、物販売り上げが54億円となっています。今期(平成26年9月期)については、今年12月から基礎化粧品3シリーズ(新製品)を中心に通販事業(年商20億円目標)を本格的に立ち上げることから総売上高200億円を見込んでいます。また、今期の総店舗数は、前期並みの124店舗を計画しています。海外進出は考えていませんので海外店舗はゼロです。」

―たかの友梨美容専門学校に今年4月、美容師科を新規開設しましたが、狙いは

「私は、従前からエステティシャンが国家資格を持ちながら社会活動して行くための方途を考えてきました。現在、美容師の国家資格はありますがエステティシャンの国家資格はありません。そこで、新たな試みとしてヘアデザインのスペシャリスト育成を通じて美容師の資格を持ったエステティシャンを輩出する目的で、美容師科を新たに開設しました。美容業界での新たな挑戦と位置付けています。また、海外では、アーユルベーダやアロマセラピー施術が代替医療の約割を担っています。今後、エステティックの知識や技術を超えた西洋医学、東洋医学などの基礎医学のほかに心理学や臨床セラピーなどを付加した教育を行う学びの場を提供し、心と体を癒す未来のセラピストの育成にも全力を尽くす考えです。」

―株式公開や後継者問題についてどう考えていますか

「一時期、スケールメリットを目的に倒産した大手エステの買収に食指を伸ばしましたが、今後とも上場は考えていません。また、当社は、将来性ある社員の中から選抜して教育を行う「地獄の特訓」と呼ぶハードな研修制度があります。自己を見つめ直し、モチベーション、スキルアップを図った人財を育てることで、100万人にのぼるお客様に喜ばれる
サービスを提供し、100年継続する揺るぎない企業発展の原動力とするのが目的です。将来の後継者は、他社と合併することなども視野に入れながら考えたいと思っています。」

 

連載「理美容・エステ。美容家電各社の成長戦略」は、隔週火曜日掲載します。

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