大手食品メーカーの介護食参入【3】 「植物のチカラ」日清オイリオが高齢者・介護食に注力

2013.12.25

特集

編集部

日清オイリオグループ株式会社(東京都中央区新川、今村隆郎社長)は、成長事業と位置付けている「ヘルシーフーズ事業部」で、社会問題へのアプローチとして高齢者・介護食を三つの柱で事業展開している。

日清商品244第一は、トロミ調整食品で、食材にトロミを付けて食べやすく飲み込みやすくする商品。日清オイリオは1991年にトロミ調整食品を発売したパイオニアであ り、介護の現場ではおなじみである。「トロミアップ」シリーズを展開し、病院・施設向けのほか、ドラッグストアなどでの販売にも力を入れている。

第二は、エネルギー補給食品で、食べた後エネルギーになりやすいという特長を持つ中鎖脂肪酸(MCT)を活用した様々な商品を販売。中鎖脂肪酸は、昔から 医療の世界では、未熟児用などのエネルギー補給用として使用されてきたが、低栄養状態の方が、少量で高カロリーを摂取できる栄養改善食品としてここ数年、 注目されている。飲料タイプの「プロキュアZ」は、1本125mlで200キロカロリーが補給できる。「エネプリン」もプリンタイプのエネルギー補給食品 で、MCTを6g含有し、1個で110キロカロリーが補給できる。MCTオイル、MCTパウダーは、おかゆや味噌汁など料理に加えて簡単にエネルギー補給 ができる商品だ。

第三は、たんぱく質や塩分などの調整食品。「サトウの低たんぱくごはん」は、切り餅で有名な佐藤食品工業との共同開発商品である。たんぱく質、カリウム、 リンが少ない商品だ。キッコーマン食品と共同企画の「だしわりおそうざいの素シリーズ」や、東洋水産との共同開発商品「レナケアー カップめんシリーズ」 もある。いずれもたんぱく質、カリウム、リン、塩分に配慮した食品である。

同社は、これから団塊の世代が高齢化して大都市に集中すると判断、介護施設の受け入れも限界にきて在宅介護が一気に増えるとみて、通販カタログを整備し、 ホームページでの商品情報提供や通信販売を強化している。また、ニュースレターの発行や、ケアマネージャーらとの勉強会など、情報発信に努めている。

日清オイリオグループは、1907年創業の食用油のリーディングカンパニーであり、「植物のチカラ」を最大限に引き出し、世の中に届けている。1924年発売の「日清サラダ油」、1992年発売の「日清キャノーラ油」は家庭で愛用されている。

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日清オイリオグループ株式会社

 

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