大手食品メーカーの介護食参入【5】 味の素のアミノ酸の機能に着目した介護食が好調

2013.12.27

特集

編集部

味の素株式会社(東京都中央区、伊藤雅俊社長)のアミノ酸の機能に着目した介護食が好 調で、今後伸長する事業領域として重要視している。同社のアミノ酸研究は100年の歴史があり、アミノ酸供給では世界最大規模である。同社の介護食は要介 護者のそれぞれのステージに応じた製品をそろえたこと、単なる高栄養食ではなく「おいしさ」にこだわったこと、そして高齢者に重要な栄養組成設計という三つの柱から成り立っている。

味の素商品その代表とも言える食品が「メディミル」シリーズで、スープ(粉末)、コーヒーやいちごの味がする「味わい飲 料」、その他ムース・プリンがある。濃厚流動食の優れた栄養組成をベースにたんぱく質やBCAA(分岐鎖アミノ酸)を取り入れた食品である。栄養状態の維 持改善を目的とした食品で、病院や施設での需要が急伸している。製品販売を担う「味の素ニュートリション株式会社」の栄養の知識を持った販売担当者が病 院・施設を訪問し、説明している。一般店頭に出さないのは、製品の持つ栄養機能の理解には丁寧な説明が必要と考えるためである。

二つ目は、7月から発売を始めたサプリメントの「抵抗活力アミノ酸 シスチン&テアニン」である。人間の体内にあるアミノ酸20種類のうち、シスチンとテアニンを組 み合わせることで免疫力を高める「抵抗活力」をサポートすることを、同社は世界で初めて発見したとしている。シスチンは鶏肉や大豆に多く含まれ、テアニン は緑茶に含まれているアミノ酸である。

三つ目は、夜中にトイレに起きなくて済むように水分を体内にとどめる「アクアソリタ」(液体・粉末タ イプ)と「アクアケアゼリー」である。吸収が早く、水分を体内に保持し、りんご風味などおいしさを追求したことで無理なく水分補給ができるとしている。飲 み込みができない人には「アクアケアゼリー」が最適だ。起床後、入浴前後、寝る前、のどが渇く夏や風邪をひきやすい冬などによいそうだ。

取材先紹介
味の素株式会社

 

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