大手食品メーカーの介護食参入【2】 病院・施設向け食品「ジャネフ」、通常食品と変わらないおいしさを

2013.12.24

特集

編集部

キユーピー(東京都渋谷区 )は、武田薬品工業、住友商事と3社で1972(昭和47)年日本ヘルスフード株式会社を設立した。1989(平成元)年からはキユーピーが販売権を得て今日に至っている。

「ジャ ネフ(JANEF)」は当時の会社名から名付けられた同社のブランド名で、おもに病院・施設向けの食品を展開する。ジャネフの出発点には、「病気を患う方 にもいつもと変わらぬおいしさを提供したい」という想いがある。現在は、病気だけでなく、加齢やその他の要因により食べることに課題を感じる人全般がその 対象だ。

「ジャネフ」は大きく分けて3種の商品群「病態対応食」「栄養補給食」「検査食」から構成される。「病態対応食」の一つ、①塩分調 整食品には、例えば、普通のこいくちしょうゆから塩分を45%カットした「減塩しょうゆ」がある。たんぱく質、リン、カリウムに配慮した「だし割りしょう ゆ」は、五訂増補日本食品標準成分表「こいくちしょうゆ」からナトリウムを35%カット、「減塩中濃ソース」は同「中濃ソース」から塩分を70%カットし ている。

同②カロリー調整食品は、ノンオイルドレッシングが中心で、焙煎ごま・和風・青じそ・シーザーサラダ用・おろし玉ねぎなどのドレッ シングのカロリーはいずれも10mlで5kcal以下である。 五訂増補日本食品標準成分表「フレンチドレッシング」の40kcalと比較してもかなり低い。

同③たんぱく・エネルギー調整食品は、おも に、たんぱく質を制限した食事を必要としている人に向けた商品群だ。八宝菜、ハンバーグ、肉じゃが、ビーフシチュー、麻婆豆腐などがある。食事に制限があ り、日々自身で管理しなければならない人にとって、このような食品がその助けとなり得る。

同④はミネラル補給食品。カルシウムや鉄分を補給 することが目的の食品群だ。米を炊くときに混ぜることで、ご飯で手軽にカルシウムを補給できる「元気な骨」という商品などがある。 この商品に使用されている卵殻カルシウムの原料は、文字どおり卵の殻だ。実は、キユーピーが扱う卵は日本の総生産量の1割にも相当する。

「栄 養補給食」には、①業務用介護食と②流動食がある。①業務用介護食から新発売した「ごはんにあうソース うに風味」は、食欲のない高齢者にもごはんが進む ように配慮している。先行して発売した「ごはんにあうソース たまご風味」は、「昔懐かしい卵かけご飯を食べたい」という願いに応える商品だ。病院や高齢 者施設では安全面での配慮から生卵を提供するのは難しい。

このほか、ゼリーにフルーツのおいしさを凝縮した「プチゼリー80」シリーズも人 気だ。1個35gで80kcalものエネルギーを摂取することができる。既出のカロリー調整食品とは逆の発想だ。ぶどう、もも、ゆず、アップル、オレンジ の5種類へと味のバリエーションも増えた。酢にむせやすい高齢者向けに開発した、ゼリー状の「三杯酢のジュレ」も、特色のある商品の一つだ

② 流動食には経口と経管の二つがある。食が進まない要介護者のために同社が今秋リニューアルした「ファインケア」は、前者の栄養サポート食品である。いちご 風味、コーヒー風味、バナナ風味、おしるこ風味など「9種類のおいしさを味わえる」という。後者の経管流動食は需要が多く市場も広い。同社の主力商品に なっている。口から栄養を摂ることができない人にとっては、必要不可欠な食品だ。

CIMG7831最後は大腸内視鏡用の「検査食」である。新商品の「クリア スルーJB3食セット」を加え、現在4種類で展開する。同検査では、腸の中をきれいにしておく必要があるため、おいしさと食べごたえがありながら、消化に 配慮していることがポイントだ。例えば、検査前日の朝食は鶏とたまごの雑炊、昼食はじゃがいものそぼろあんかけとたまごがゆ、夕食はビーフシチューとク ラッカーという具合だ。間食として口当たりが良い「おろしりんご」も用意した。

キユーピーは、「おいしさ・やさしさ・ユニークさ」をもって、食生活に貢献することを経営理念に掲げている。「ジャネフ」の商品開発にも、この考え方が根底にあるのだ。

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