「化粧品原料メーカー、商社の事業展開に迫る」【6】 営業・技術連携して新原料開発を敏速に創出~岩瀬コスファ(上)

2014.04.16

特集

編集部

岩瀬コスファ株式会社(大阪市、未上場)は、1931年に創業して以来、化粧品を主軸に医薬品、健康食品、洗浄剤、電子部品など幅広い分野で原材料 を輸出入する化粧品原料商社。現在、国内外から調達した原料とオリジナル原材料を合わせた取扱原材料総数は、油脂、界面活性剤、紫外線吸収剤など食品原 料、食品添加剤、工業材料を含めて約5,000種にのぼる。

国内や欧米、東南アジア、中国など海外サプライヤからの独自仕入れルートを確 立。一方、韓国、台湾、タイ、シンガポール、オーストラリアに輸出を行うなどさらにフィールドを拡大している。また、原材料を販売するのみならず原材料 メーカーや研究機関などと共同で、化粧機能を持った製品開発を行うなど研究、企画、開発が三位一体となった提案型の商社としてさらに存在感を増している。 製品開発などでタイアップしている主な原材料メーカーは、国内で約8社、海外約2社の計10社。

このような提案型商社としての機能は、組織体制にも見られる。同社の組織面での特徴は、研究開発部隊を営業本部の傘下(2事業部、3部)に置いている点。

ユー ザーニーズを把握した営業部隊と新技術、新製品を開発する研究開発部隊が連携を図りながら新素材、新技術、市場、原材料メーカー各社の情報などを分析して ニーズにマッチした製品開発を設計の段階からサポートする体制を敷く。原材料メーカー、マーケットのニーズなどをいち早く掌握し、敏速に製品開発に繋げる 狙い。

国内体制に加えて海外の拠点網は、中国の上海(2003年開設)と広州(2005年開設)に2販売子会社コスファ国際貿易を設置。上 海の傘下に北京分公司を置く。2013年5月には、上海、広州に次ぐアジア第3番目の化粧品原料の現地販社「ケミココスファベトナム」(合弁会社)を設置 した。

ベトナムの現地代理店キム・ミー・ケミカル社に対して現在、同社の東南アジア市場の代理店となっているケミコ・インター(本社バンコ ク)と共同出資したもので、ベトナム化粧品市場で原料の拡販を図る。また、韓国、上海、パリ、米ニュージャージーに事務所を開設し、自社開発製品の発信や 世界の原材料の情報入手に努めている。

韓国では、安全性、有効性に関する受託試験会社バイオトクシテック社と組んで、日本国内の医薬品、食品、農薬、化学、化粧品会社から試験を受託している。図に同社の営業体制を示す。

岩瀬コスファ_営業体制図

こ れまで天然由来の植物性原料や抗菌、保湿、美白などの化粧機能を持った主なオリジナル原材料は、40製品を超える。新たに開発した新原料の市場投入も活発 だ。昨年5月にカビや酵母に抗菌性を発揮する抗菌性アミド型界面活性剤「C01-MLBG」と抗シワクリーム製剤「リペアクリーム」を市場投入し、化粧処 方の提案強化に打って出ている。また、マイクロスコープやアナライザーなどの測定・試験機器を備えた研究室を取引先に解放。さらに、化粧品原料約 5,000種をデータベース(使用用途、機能別区分)化して製品情報として原材料メーカーや取引先などに発信、ユーザー対応に力を入れている。

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岩瀬コスファ株式会社

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