化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【2】 全ての処方に有効性評価を付与、東南ア・中国にバルク輸出~シーエスラボ(下)

2014.07.10

特集

編集部

株式会社シーエスラボは、自社開発化粧品や受託開発化粧品全てについて科学的根拠に基づく有効性試験(エビデンス)を自社で行い、ユーザーに対してエビデンスの提供を始めた。化粧品の有効性試験と対ユーザーへのデータ提供は、業界でも珍しいケースで、他社のモデルとなりそうだ。

化粧品の処方開発に伴う有効性評価試験は、5年前に設立したグループ会社「イッツモア」が担当。主要な試験設備を導入し、日本化粧品工業連合会のガイドラインや日本香粧品学会が定める「化粧品機能評価法ガイドライン」などに則ってヒトでの二重盲検法や官能評価、皮膚測定評価、機器測定評価などの有効性試験を行なっている。

有効性試験のエビデンス例として30代女性 6名を対象に対照品の洗顔料と同社開発洗顔料の連用試験による肌油分量測定(グラフ)を行なった。

油分測定結果

試験内容は、試験対象部位となる顔面をクレンジング及び洗顔料の両方で洗顔後、温度と湿度が一定の恒温恒湿室で30分安静にした後、顔面の対象部位の油分量を測定。また、朝夜兼用して2週間使用を続け同条件で、油分量を再度測定した。その結果、被験者2の場合、乾燥肌気味の方は、対照品と比較すると同社の開発洗顔料が洗顔後の皮脂とりすぎが抑えられる傾向がみられた。また、被験者5及び被験者6の場合、脂性肌気味の方は、対照品と比較すると同社開発洗顔料は、洗顔後、出すぎる皮脂を抑える傾向がみられたことが判明した。

同社では「ガイドラインに則った社内評価試験環境を整えた。効果効能で化粧品を選ぶ時代の中にあって処方開発力を強化し、提案の幅を広げている。処方での使用感を追求し、完成度を高めて行くことで、ユーザーニーズに対応する」(林社長)と説く。化粧原料や成分の有効性、安全性が問われている中で、評価試験のエビデンスを積極的に開示する同社の姿勢は、鶏口牛後に値する。

東南アジア市場へのバルク輸出も始めた。現在、シンガポールなどに拠点を持つ企業に対して「バルク」の形態で供給を行なっている。また、ここへきて中国の企業と提携してバルク供給を始めた。今後、東南アジア、中国市場での手応えをつかみながら現地に合弁企業設立を含めて海外への本格進出を検討する。

同社の主力事業は、化粧品・医薬部外品の0EM事業と化粧品の輸出入がメイン。この2事業に関連した部門別ソリューション(問題解決)事業としてユーザーに対する市場開拓支援や化粧品・医薬部外品の処方開発、機能性評価試験によるユーザーサービスを行なっている。いずれも営業と技術が一体となってユーザーのシーズやニーズをいち早く吸い上げて問題を解決することで、収益向上に繋げる狙い。

今後、 海外展開と合わせて得意とするナノ化技術を駆使した製剤技術の開発強化や新規素材加工技術の開発など0DMメーカーとしてさらに高付加価値経営へ大きく転換して行くのは必至だ。

 

 

 

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株式会社シーエスラボ

 

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