化粧品OEM・ODM各社の「ユーザーニーズに対応するわが社の事業展開」【10】メイクブランド“舞台屋〟プロ集団に好評~ビアント(上)

2014.08.13

特集

編集部

化粧品OEM事業を展開する株式会社ビアント(東京都中央区、社長中野明氏=写真)は、化粧品メーカーで、粉体加工に独自の技術を持つコスメティック・アイ―ダが2006年9月にライバル(コンべチター)との競合を避けOEM事業の成長を狙ってグループ会社として法人化した。

中野写真①現在、ビアントが扱うOEM化粧品は、メイクアップ化粧品、エステ向け基礎化粧品、美容室向けヘアケア化粧品の3分野が中心。3領域の幅広い分野を1社単独で手掛けているのは、業界でも珍しいケース。

メイクアップ化粧品のブランド名は「舞台家」と、これまたユニークなネーミング。OEM先は、プロのメイキャップ・アーチストや映画、TV、舞台などの製作会社が中心。

舞台家のブランドで開発したプロ向けの主要商品は、スティックファンデーション(写真)やフェイスパウダー、ポイントカラー、特殊メイク、舞台用化粧品など30種類を超える。特に、メイクの色数は、血を流すシーンに使われる特殊メイク用のドレッシーレッド(血のり)や汚し粉など約5,000色を数える。また、これまでの映像より鮮明に映し出されるデジタル放送に対応した舞台屋ブランドのファンデーションなどを開発・商品化している。

舞台屋 スティックファンデーション TVデジタル放送では、これまで使用してきたファンデーションを使用すると厚塗りに見えてしまうことが悩み。それを解消する目的で舞台屋ブランドのファンデーションを開発したもので、塗っても薄付きで、自然な透明感に見えるため、プロ集団のメイキャップ・アーチストに好評。

プロメイクブランド舞台屋の化粧特性は、いずれも発色が良くて透明感に優れ、汗による化粧崩れがないなどの機能性を持つ。また、衣装に付着してもすぐ落とせてシミにならないのも使い手の顧客にとって大きなメリット。

「色数を組み合わせた3次元調色など色へのこだわりに加えて皮膚の専門家のノウハウを活かし、素肌にやさしくメイクをしながら美容効果を与える素肌にこだわった化粧品の設計や自然で、透明感のある仕上がりなど機能性重視の3つのこだわりをコンセプトにして開発した」(中野社長)と語る。

東京・渋谷に「プロメイク舞台屋」と名付けたメイクブランドショップを開設(写真)。メイキャップ・アーチストや一般の個人向けに販売している。

舞台屋店内画像

こうした彩色、素肌、機能性にこだわって開発した舞台屋ブランドのメイク化粧品に加えて基礎化粧品「レチエシリーズ」をはじめボディーローション、美顔器と併用して使う美容ジェルなどのエステ向け化粧品や洗浄基材にアミノ酸系の原料を使用したシャンプー、ノンシリコン系シャンプーなどの美容サロン向けヘアケア商品を開発し、OEM展開している。同時に、自社開発商品をエステサロン、美容サロンに卸販売するとともに通販チャネルでも販売している。

現在、総売上高に占める商品別売上構成比率は、舞台屋ブランドのプロ向け化粧品が50%、エステサロン、美容サロンなど業務用化粧品が各20%の割合となっている。2年前から海外向け専門のネットを通じて自社商品、OEMの訴求力を強化し、受注拡大に乗り出している。今後、海外を含む販売チャネルの拡大による収益向上が注目される。

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株式会社ビアント

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