連載・新興市場上場の美容業界各社の経営・事業動向に迫る【7】日本色材工研、5ヵ年計画スタート、2018年度 100億円達成目指す

2014.10.21

特集

編集部

株式会社日本色材工業研究所(東京都港区)は、化粧品の原料メーカーとして創業(1930年)、今年で創業満84年になるOEM・ODMの老舗企業。OEM・ODM メーカーでは、1996年に初めて株式を店頭公開し、2004年に現ジャスダック市場に再上場した。2014年度を初年度とした5ヵ年中期経営計画をスタート(2014年3月)させており、最終年度の2018年度に連結売上高100億円の大台乗せを狙う。

この中期売上目標を達成するための施策として(1) UV製品、油性固形製剤、マスカラ製品の拡販による製品力の強化と競争力向上(2)ファンデーションやUV製品などの美白製剤の増強及び高機能パウダー製剤と低価格製品の開発によるパウダー製品の受注拡大(3) 顧客基盤の強化を目的とした既存顧客との取引ボリュームの拡大、外資系ブランドとの取引増強、新規市場参入企業への積極的な提案営業の展開(4)つくば工場拡張による生産能力の拡大と品質保証体制の強化(5)仏子会社テプニエとのシナジー効果によるOEM事業のグローバル化推進、などに継続して取り組む。

同社は、2002年2月にフランスの医薬品・化粧品の0EM製造会社「テプニエファーマー」の株式を取得して子会社化(連結対象)し、欧州での製造・販売拠点とした。また、国内主力工場として現在、神奈川・座間、大阪・吹田、茨城・つくばに3主力工場を保有し、フランスのテプニエを含めて化粧品(主要製品・ファンデーション、マスカラ、口紅など)や医薬品(同・薬用歯磨き、口腔洗浄剤、ボディーシャンプーなど)の0EM生産・販売を行なっている。

日本色材、つくば工場国内主力3工場の中で、つくば工場(写真)は、今年2月に竣工(第1期工事)し、3月に操業を始めた最新鋭工場。クラス1万レベルの高い清浄度を実現、高レベルの品質保証基準に基づく生産体制を敷いた。

5ヵ年経営計画に基づきつくば工場の増築・増設をさらに図り顧客ニーズに対応した生産体制を整備する考え。また、座間工場には、生産計画や秤量システムと連動を図った新生産管理システム「JIPR0S」を導入し、多品種小ロット生産の一貫体制を確立している。

5ヵ年計画の初年度に当たる今期(2015年2月期連結)業績見通しは、つくば工場の生産能力の拡大をテコに0EM受注の拡大に取り組み売上高80億9,700万円(前期73億200万円)の増収を予想。しかし、つくば工場の立ち上げに伴う固定費増や品質管理の整備に伴う支出増などから営業利益1億2,800万円(同1億4,600万円)、最終利益3,700万円(同8,900万円)の減益となる見込み。

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株式会社日本色材工業研究所

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