連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【3】双日コスメティックス、生協向け化粧品販売”橋頭堡〟を築く(上)

2014.11.25

特集

編集部

化粧品会社双日コスメティックス株式会社(東京都中央区)は、2007年4月に総合商社双日(ニチメンと日商岩井の合併会社)の100%子会社として設立した。化粧品事業の起源は、1986年に旧ニチメンの化学部門がメーカーと共同で深海鮫の肝臓「スクワレン」(原料)を水素添加して分子を酸化しにくい状態にして安定化させ「スクワランオイル」として商品化。この開発を契機により末端消費者に近い商材として日本生協連や灘神戸生協(現在のコープこうべ)などに販売を開始したのが始まり。

添付資料5薬用ホワイトニングローション

現在、生協市場に投入している化粧品の総アイテム数は、約200アイテム(品目)にのぼる。200アイテムの中で同社の代表的なブランド商品が今年で発売25年になる「ベルシーオ」と発売27年になる「スクワビューティ」。
ベルシーオは、美白を基本コンセプトとしたブランド。「美白とうるおい」からさらに「エイジングケア」までコンセプトを拡げて現在、薬用ホワイトニングローション(写真右)など計30種類を揃える。また、スクワビューティは、スキンケア、ヘアケア、メイク、ボディケアにまたがる総合ブランドとしてスクワランオイル(写真下)など30種類を揃える。

同社は、代表的な2ブランド商品について「生協向けに投入して25年以上経った今でも息の長いロングセラー商品になっている。皮膚への浸透性が高く乾燥した肌に優れた保湿効果があることや家族で使えることなどが奏功している」と好調ぶりを説く。

添付資料3スクワランオイル

同社の化粧品事業で特筆されるのが、国内最大の消費者組織「日本生活協同組合連合会」(日本生協連)や生活協同組合と取引している点が挙げられる。
同連合会は、1951年3月に設立。2013年度末で全国134の地域生協が加入し、総事業高は約2兆6,853億円、組合員総数約2,012万人を数える。
この巨大組織生協向け化粧品販売は、生協組合員に化粧品のチラシ(カタログ)を制作して配布し販売する形態と店舗とインターネット通販の3形態で販売している。販売ターゲット層は老若男女問わず幅広い年代層に売り込む。

同社は、新商品の販売に際して事前に商品の理解度を深める目的で、生協職員対象の研修会や組合員対象のメイク講習会などを継続して開催。
「生協組合員に商品知識や販売方法などを懇切丁寧に教えることで信頼関係が醸成され、収益の向上に繋がっている。また、化粧品の学習会を実施し、当社の商品を理解し併せて使用体験することで、商品認知度やブランドロイヤルティの向上を図っている」と28年にわたって築いてきた生協との橋頭堡を強調する。

しかし、異業種からの参入で化粧品市場は競争が激化。生協市場においても例外ではない。そうした環境下で商品の差別化や、付加価値をいかに高めるか、またそれらをどのように効果的に消費者である生協組合員へ認知させるか、ということが課題となっている。

その課題に対応するため、独自性ある多様なOEMの発掘、海外を含めた調達力の強化など行いながらコスト優位性のある差別化された商品を継続的に市場へ投入し、消費者の信頼と信用の獲得を図る方針。

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双日コスメティックス株式会社

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