連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【6】ホソカワミクロン、PLGAナノ粒子応用のスキンケア、育毛剤開発(中)

2014.12.16

特集

編集部

ホソカワミクロンが開発したPLGAナノ粒子は、粒子設計を変えることでさまざまなスキンケア化粧品や育毛剤に応用できる。

育毛剤製品写真同社は、2002年4月にPLGAナノ粒子を化粧品原料として化粧品会社に販売。その後、2004年10月にターンオーバー促進や美白、皮膚分泌抑制、シワ形成防護などの機能を持つスキンケア化粧品「ナノクリスフェア」(写真・左)を商品化して通販市場に投入した。以降、アイテム数を増やし現在、PLGAナノカプセルの中にビタミンC、ビタミンE、オリーブオイルなどを内包し、粉末を固形化してコンパクトケースに入れた粉状の美容液「パウダリーモイスト」や化粧水・乳液・美容液・クリームの働きが1つになったオールインワンタイプの保湿ジェルクリーム「プルガンス オールインワンジェル」など総アイテム数20品目を揃え市場投入している。

同社は、スキンケア化粧品の中で、パウダリーモイストについて「粉なのに美容成分と保湿成分がたっぷり入っているので、美容液特有のベタつき感が苦手という方に最適。化粧直しを行いながら美容液を塗るのと同じ効果が得られるため人気が高い。また、プルガンス オールインワンジェルも朝晩の洗顔後に塗るだけという手軽さが受けている」と評価・分析する。

スキンケアの販売チャネルは、ラジオCMとWEBが中心。同社では「スキンケア売上の約7割がラジオCMの売上で占め約2.5割がWEBでの売上構成となっている。ラジオCMを通じた商品の訴求力と反響が極めて高く売上に直結している」と強調する。

スキンケアに続いて2006年に男性用育毛剤「ナノインパクト・ダブルテラ」(写真・右)と2007年に女性用育毛剤「ナノインパクト・ダブルテラレディ」を相次いで市場に投入した。ナノインパクト・ダブルテラは、ローションとナノパウダーがセットになったもので、1回の塗布量で2兆個のナノカプセルが瞬時に毛穴全体に入って毛根にアプローチする。同社は、他社の育毛剤との違いについて「毛穴深部への浸透力が高いことが最大の特徴」という。現在、育毛剤の販売は、通販に加えて理美容サロン、エステなどへの卸販売や訪販会社などとパートナーを組んだ多様なチャネルを確立して拡販を図っている。

ここへきてPLGAナノ粒子が中国の化粧品リストに収載され、中国国内での販売が可能となった。このため同社は、中国の現地企業と提携して化粧品メーカーなどに売り込んで行く考えで、海外展開を今後、加速する方針。

同社の化粧品事業は、マテリアル事業部が司令塔となってDDS製剤や化粧品類の製品開発を行う製薬・美容科学研究センターと化粧品・育毛剤の販売を担当する子会社ホソカワミクロン化粧品株式会社(平成26年9月設立)及びPLGAナノ粒子の量産工場「奈良・五條工場」(2005年稼動)が一体となって推進している。

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