連載・異業種から化粧品分野に新規参入した上場各社の化粧品事業に迫る【16】日華化学、毛髪化粧品の総合デパート、ビオーブヒット商品に(中)

2015.03.31

特集

編集部

日華化学は、毛髪化粧品分野に参入してこの33年間に開発・商品化した毛髪化粧品は、約40ブランド、約1000品目(アイテム)にのぼる。真に“毛髪化粧品の総合デパート〟の異名を誇り国内有数の毛髪化粧品メーカーに躍り出た。現在、40ブランドは、基幹ブランド「デミコスメティクス」に統一して事業展開している。

④ビオーブ商品画像こうした多品種、マルチブランド化する中で最大のヒット商品になっているのが2012年に市場投入したヘアケアブランド「ビオーブ」(写真)。

現在、品目数は、医薬部外品のシャンプーやトリートメントなどを含めて14品目。2012年に市場投入してから現在までの累計販売数は、金額ベースで約30億円にのぼる。昨年度だけで約10億円の売り上げを達成しておりカラ―、パーマなど4ジャンル別主要商品の中でビオ―ブは、ヘアケアの中枢商品に躍り出た。

ビオ―ブがヒットした要因について同社は「頭皮・スキャルプの状態を最適に保って潤いを与える薬用成分、機能性植物成分、頭皮マッサージの3つが美容サロンや顧客のホームマッサ―ジ用として受け入れられたことが大きい」と説く。
同社が行ったビオーブの毛髪促進試験では、シソ科の植物「コレウスホルスコリ」の根から抽出したエキスを添加した培地で毛乳頭細胞を24時間培養し、毛乳頭細胞内で産生される育毛たんぱく質「FGF-7」量を免疫学的測定法=ELISAで測定した。

その結果、同エキスは、FGF-7たんぱく質量を5.2倍増加させることが判明(FGF-7産生促進効果のデータ図参照)。このたんぱく質量の増加により毛髪の成長が促進されることを実証している。

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同社は、髪と頭皮のエイジングケア「イーラル」に賭ける期待ものぞかせる。髪と頭皮をケアする毛髪化粧品イーラルは、2010年5月に子会社「イーラル」を設立し、同年6月から美容サロン向けに販売。同時に、美容サロンでイーラルを使ってのヘッドマッサージサービスを始めた。このヘッドマッサージの施術を組み合わせたブランド「イーラル」は、前倒しで黒字化を達成するなど引き続き高い伸びが見込まれている。

同社初のスキンケア化粧品「アンサージュ」に対する期待も高い。アンサージュは、毛穴エイジングケアのスキンケア化粧品で、同社と子会社山田製薬が共同開発した。山田製薬が2012年5月に通販限定で販売に乗り出している。
アンサージュは、これまで消費者ニーズを探るアンテナの役割を一面において担ってきた。今後、複数の商品開発やブランド化を検討する方針。

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