「我が社の生薬配合化粧品ビジネス」【10】佐藤製薬、生薬配合スキンケアを30社、4千店舗のドラッグストアで販売(上)

2015.06.17

特集

編集部

佐藤製薬は、90年も前から漢方・生薬の研究開発に取り組んできた生薬研究のトップメーカー。“生薬のサトウ〟を象徴する最も得意とする生薬研究は、品川研究開発センターにおいて生薬の個々の成分の薬理学的作用についての解明と化学的微量分析による微量成分の単離精製、指標成分の規格化などを推進。

現在、同センターと化粧品の企画開発を担当する化粧品事業部が連携して生薬配合の化粧品、育毛剤などの企画開発に取り組んでいる。商品の製造は、八王子工場が生産を担っている。

佐藤製薬、コスメこうした医薬品開発のノウハウや皮膚化学の研究を通じてOTC医薬品(一般用・大衆用医薬品)開発で培った生薬や軟膏技術を応用したスキンケアブランドの「エクセルーラ」(写真)と女性用の薬用育毛剤ブランド「髪美力」(医薬部外品)を開発し、商品化を図っている。

エクセルーラは、2009年9月に市場投入した後、2011年にラインアップを拡充。さらに2014年9月には、古い角層をケアしてキメを整えるカミツレ花エキス、オーキッドエキスなどの保湿成分を新たに配合するなどしてリニューアル化を図った。現在、美白、エイジングケア対応のクレンジング、乳液など14品目を揃える。

14品目全てに共通成分としてマメ科の多年草「サテライトエキス」を中心にオタネニンジンエキス、加水分解ハトムギエキス、ビタミンA誘導体など6種の美肌成分(パワーコンプレックス)を配合。合わせてセンブリエキスやオウゴンエキスなど20種類の和漢植物エキス(保湿成分)を配合するなど同社の生薬化粧品の代表格となっている。

一方、育毛剤の未知の素材を探索する中で同社は、マメ科の植物で、南米エルサルバドルの沿岸に群生している熱帯性高木「アマゾンハーブオイル」(ペルーバルサム)に着目、血管内皮増殖因子(VEGF)の産生促進作用があることを見出した。同時に、完熟メカブエキスに着目し、頭皮の乾燥に優れた保湿効果を見出し、2つの抽出したオイルとエキス成分を女性用育毛剤「髪美力」に配合して商品化し、2013年4月に市場投入した。

現在、エクセルーラは、パートナーを組むドラッグストアなど30社、計4000店舗で販売。また、2014年10月に薬用シャンプーとコンディショナーを加えた髪美力ブランドは、子会社「ビ―アンドエイチサトウ」を通じて通販カタログとオンラインショップ専門に販売している。

同社では、スキンケア化粧品、育毛剤の販売について「生薬のエビデンスや特徴を訴求しながら商品の浸透力を図っている。特に、スキンケア化粧品については、パートナーを組んでいるドラッグストアでの顧客への直接、販売に引き続き力を入れたい」としている。

現在、同社の事業は、医薬事業とOTC事業の2事業が主体。スキンケアと育毛剤の売上は、OTC事業に含まれている。現在、2事業の売上比率は、OTC事業80%、医薬事業20%の比率。今年の秋にもスキンケア2品目をリニューアル化し、収益向上に繋げる計画。

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