【連載】幹細胞化粧品開発元年【4】日本メナード化粧品、幹細胞応用コスメ開発に注力(下)

2015.09.18

特集

編集部

日本メナード化粧品は、首のシワ・タルミの原因についても幹細胞研究から取り組みを行った。顔のシワ・タルミは、主にコラーゲンの減少などで真皮の加齢変化が原因で起こるが、首のシワ・タルミは、主に皮下組織の加齢変化によって現れることが分かった。この要因は、顔の皮膚に存在する靭帯が首の皮膚にないことに起因する。

皮下組織ではコラーゲンがネット状に存在し脂肪細胞を支えている。20代と60代の皮下組織のコラーゲンネットを染色して観察したところ、加齢によってコラーゲンネットが細く弱くなることを突き止めた。

コラーゲンネットが細く弱くなると靭帯がないため脂肪細胞を支えられなくなり、皮膚全体が下垂して首のシワ・タルミが生じることが分かった。

同社は、2003年から愛知県の藤田保健衛生大学医学部と共同で幹細胞研究を進め、肌を構成する表皮や真皮の中にも幹細胞が存在することを確認。また、加齢に伴い幹細胞の数が減ること、新しい細胞が生み出されなくなり、乾燥やタルミなどが進行することを解明した。

こうした幹細胞の多角的な研究と成果について2012年6月に開催の国際幹細胞学会や日本再生医療学会などで発表。現在も藤田保健衛生大学医学部と共同研究を継続している。また、2013年5月に名古屋大大学院に共同研究講座を開設し、現在、画期的な製品開発に取り組んでいる。名大との具体的な研究開発は明らかでない。

一方、幹細胞の研究成果を活用して加齢とともに減少する幹細胞・脂肪幹細胞を増やす西洋実ザクラ種子や脂肪幹細胞から前駆脂肪細胞を生み出す効果があるキヌガサタケエキスなどの保湿成分を配合した化粧品を開発し、訪問販売と全国のメナードフェイシャルエステサロン店中心に販売している。

同社の皮膚の幹細胞をターゲットにした研究開発は、シミ、シワ、美白、毛髪など多角的に取り組んでおり、今後どのような機能を持つ幹細胞コスメを開発するか、幹細胞応用コスメの取り組みが注目されるところだ。

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