【連載】化粧品各社のイノベーション研究【2】ハーバー研究所④~今期業績回復見込み~

2015.11.19

特集

編集部

株式会社ハーバー研究所の今期(2016年3月期)業績(連結)は、ネット通販のテコ入れなどが奏功して回復する見通し。
同社の前期(2015年3月期)(連結)決算は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動をカバーできなかったことなどを要因に売上高は、前年同期比4.4%減の131億8100万円となった。また、2015年3月期の売上高に占める品目別売上は、基礎化粧品82億1900万円(前年同期比1.5%増)、メイクアップ化粧品9億9800万円(同18.4%減)、トイレタリー7億3900万円(同3.5%減)、栄養補助食品・雑貨等27億1300万円(同12.7%減)となっている。
販売ルート別売上は、通信販売が82億1900万円(同7.9%減)、百貨店向卸売が13億4000万円(同6.2%増)、その他卸売が8億1300万円(同4.5%増)、直営店売上は8億1300万円(同3.5%減)と、総売上高の62%強を占める通販の売上減が目立つ。
利益面では、売上原価が前期比3.2%減となった半面、テレビCM・ネット広告等の強化で広告・販売促進費が41億9800万円と前期比15.6%増となったことから、営業利益は2億8200万円(前年同期比77.4%減)、経常利益2億4400万円(同79.8%減)、当期純利益4400万円(同95.1%減)と減益となった。
2016年3月期の業績見通しについては、メディアや企業等とのタイアップによる美容講座の積極的な実施、広告戦略によるグループ企業の知名度を向上させるなどして、新たな層の新規顧客を開拓する。さらに、店舗数の拡大、卸売の強化とともに、訪日外国人に対する売上増を目指す。
同社は、すでに2014 年12 月から、銀座5 丁目のコンセプトストア「ハーバー銀座館」地下1階で、免税対応をスタートしている。
2014年10 月1 日から免税制度が改定となり、免税対象品目が化粧品も含めた消耗品へと拡大されたことを受け、外国人観光客の多い銀座エリアにあるコンセプトストア「ハーバー銀座館」で免税対応することにした。また、海外強化として国際部を中心に海外の展示会に積極的に参加し、新たなチャンネルの開発に努める考え。
こうした一連の取組みにより今期(2016年3月期)売上高は、141億円(前期増減率7.0%増)、営業利益11億円(同288.9%増)、経常利益10億5000万円(同329.9%増)、当期純利益7億円と黒字に転換する見込み。
A表に業績の推移、B表に品目別売上実績、C表に販売ルート別の売上実績と構成比率を示す。
A表

b表

C表

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