【連載】化粧品各社のイノベーション研究【6】グラフィコ②~グラフィコ、0TC医薬品分野に新規参入、2018年にも販売許可申請~

2015.12.17

特集

編集部

株式会社グラフィコの主要な顧客は問屋で、問屋を通じて国内のドラッグストア、ホームセンター、バラエティショップ、百貨店、スーパーなど全国約1万5000店舗に商品を販売している。同時に、ホームセンターやスーパー、コンビニなどの小売業者との直接取引にも注力している他、自社サイトや他社のプラットフォームを活用した通販も行っている。また、国内外の代理店を通じて中国、韓国香港、台湾、シンガポールなどでバラエティストア中心に販売展開している。

優月美人「温座パット」こうした中、同社にとって急迫するテーマが取扱商品の拡充・拡大である。同社の前期(2015年6月期)における主力商品は、サプリメント「なかったコトに」(1996年5月販売)とボディケアの「優月美人」(写真=温座パッド)、「フットメジ」の3商品で、売上高に占める割合が「なかったコトに」:40%、石鹸「フットメジ」:34%、「優月美人」:14%と3商品だけで全売り上げの88%を占める。
こうした偏った商品の売上構造解消のため、新商品の投入と新規分野への参入による取扱商品の拡充・拡大を図る。

年間10~15程度、新製品を市場に投入するほか、新規分野として一般用医薬品(OTC)へ新規参入する。
同社は、2015年1月に消毒用エタノールや酸化マグネシウム錠などの製造・販売会社ライックス(東京都中央区)と業務提携契約を結び、一般用医薬品(OTC)分野に本格参入することになった。
この提携では、株式会社ライックスが製造、株式会社グラフィコが企画・プロモーションを行い、より消費者ニーズの高い一般用医薬品(OTC)の共同開発と販売を目指す。

両社が提携に踏み切った背景には、「医薬品のことが、店頭などで分かりづらい」との消費者の声を踏まえて「OTC医薬品をもっと優しく、分かり易く提供すべき」という共通認識に立ち、ノウハウを融合して、消費者が本当に求めている“より高品質で優しい医薬品を創出する”ことが狙い。同時に、既存品の高品質化、医学的データの分析など、安全で確かな高付加価値商品の開発も目的としている。

株式会社グラフィコは、2018年にも厚労省、東京都などに対して医薬品卸売販売業の許可申請を行う方向で検討している。
現在、第3者機関で行っているサプリメントの臨床試験にも力を入れる。今年4月に機能性表示食品制度が開始されたのを機に、自前で機能性証明の臨床試験を行い、商品に対する信頼性を一段と高めて行く方針。

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